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家庭戦場論

平成12年 9月 1日(金):初稿 平成17年 2月 6日(日):更新

家庭戦場論への発展




■はじめに
 以上のように考えると夫婦・家庭とは実に面倒なもので、結婚などしたくなくなる方もいるかも知れません。しかるに私は、最近家庭学校論を、更に発展させ、何とも大げさな表現で、皆さんに嘲笑されそうですが、家庭戦場論を展開するようになりました。
 即ち、結婚とは、夫と妻が互いに相手の気持が自分から離れないように相手の気持をコントロールし合う、心理戦争に突入することであり、家庭とはこの心理戦争の戦場であるとの考えです。


■結婚戦争の勝利とは
 それでは結婚という心理戦争の最終的勝利はどんなことでしょうか。
 相手の気持ちをコントロールし尽くし、相手がこの世からおさらばする際、自分に対し、心から感謝の念を抱き、来世でも一緒になりたい、更には再度生まれてくるときにも一緒になりたいとの気持を持たせて、あの世に向かわせたとしたら完璧な勝利でしょう。この完璧な勝利を得ることが出来る人は100組の内1人いるかいないかでしょうね。
 来世でも一緒なるとの気持ちまで持たなくてもせめてこの現世で一緒に過ごせたことに感謝の念を抱かせ、悔いはなかった位の気持ちを持って貰えば普通の勝利と言えるでしょう。この普通の勝利も100組の内20人位しかいないような気がします。

 私は100組の内50人は、今この世を去らんとする相手に、今度生まれてくるときはこの人とだけは一緒になりたくないと思われていると推測しております。特に妻が世を去るときは100人中80人はこう思っているのではと思えてなりません。この場合、離婚に至らなかったとしても到底勝利と言えないでしょうね。私もせめて普通の勝利くらいは得たいと思って努力していますが、全く自信はありません。

■結婚戦争の敗北とは
 反対にこの戦争の敗北は、自分の意志に反して、相手の気持ちが自分から完全に離れたときです。いかなる理由があるにせよ自分は相手から離れたくないのに相手が自分から離れたいと思うようになったら、私は心理戦争の敗北と考えております。
 相手が離れたいと思う理由を問いません。相手が他の異性が好きになった場合であろうと、とにかくただ嫌いになった場合であろうと敗北は敗北です。

敗者は敗因分析が重要
 一般に結婚という心理戦争の敗者は、気持を離した相手を我が儘だ、身勝手だとその不実をなじります。しかしただなじっただけでは何ら得るものがありません。如何に相手が不実であろうと、敗北は敗北であり、いかなる場合もその敗因を冷静に分析する態度を持たないと何らの向上が得られません。
 この通信で繰り返し述べてきましたが、人の気持ちは理屈等の圧力では決して動きません。
 特に自分は尽くしてきたと思っている人ほど相手の気持ちが離れた場合、我が儘だ身勝手だと非難する傾向が強いのですが、自分としては尽くしてきたのに何故相手の気持ちが離れたのか、謙虚に反省することが大事と思います。中には本当に相手が我が儘で気持ちが離れる例もありますが、この場合はそんな我が儘な相手を選んだ自分を恥ずべきです。兎に角逃げられた方が負けなのです。
 ここをシッカリと自覚すべきです。くどい繰り返しで恐縮ですが、将来のために重要なことは敗因分析であり、相手の非難ではありません。


まとめ-私の言いたかったこと

1.家庭は学校であり、心理戦争の戦場であり、「安らぎの場」との考えは甘い。
2.家庭が「安らぎの場」になるのは、学校で訓練をし、戦争の一時的に勝利した「結果」にすぎない。
3.「安らぎの場」は、一寸した油断で、忽ち崩壊する、極めて脆いものである。
4.心理戦争の敗者は、去った相手をなじることより敗因分析をして敗因を確認することが重要である。
5.結婚は、人間観察の学校入学であり、心理戦争突入である。人間洞察力、観察力の涵養のため是 非とも入学、突入をした方が良い。


■最後に

 最近、以上のような家庭=学校論、結婚=心理戦争、家庭=戦場論を離婚相談者にお話申し上げますが、効果は、まちまちです。
 相手が近づくと鳥肌が立つほど嫌になった人に、家庭=学校論を唱えて、慎重に考えるよう説得しても全く意味がありません。
 離婚請求に納得できない人に結婚=戦場論敗北論を唱えると、大抵の人は当初は、キョトンとしますが、自分なりに敗因分析する態度を持つようになると素直に離婚を認めるようになり、無益な抵抗がなくなります。こうなると色々アドバイス申し上げた甲斐があったと嬉しくなります。
 次回は親子特集にしようか、男女特集を継続するか迷っておりますが、読者各位から色々忌憚のないご意見・ご批判・感想等頂ければ幸いです

以上:1,910文字

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