仙台,弁護士,小松亀一,法律事務所,宮城県,交通事故,債務整理,離婚,相続

旧TOPホーム > 趣味 > 東北スコットランド協会 >    

”スコッチウイスキーの夕べ”でのシングルモルトウイスキー解説

平成22年 4月11日(日):初稿
○「”スコッチウイスキーの夕べ”のチケットと解説」の続きです。
東北スコットランド協会メイン行事”スコッチウイスキーの夕べ”の一番の売りであった、スコッチウイスキーコーナーのウイスキー調達、陳列、解説等一切を仕切ったのがスコッチウイスキー通のN女子でした。このN女子作成のウイスキー解説の一部を紹介します。10数年前の記述ですので、現在の状況とはとはちと合わない箇所もあるかも知れません。

**************************************

シングルモルトウィスキーについて

現在、一般に市販されているスコッチウィスキーの多くはブレンデッドウィスキーですが、その原点ともいうべき存在がシングルモルトウィスキーと呼ばれるものです。これは、単一の蒸留所で作られたウイスキーをそのまま瓶詰したものであり、日本酒でいえば「生粋の地酒」といったところでしょうか。それはスコットランドのそれぞれの地域で、そして各蒸留所ごとに製造され、強烈な個性と味わいを生み出し続けていました。

しかし、独特な強い癖のあるシングルモルトウィスキーは、ウィスキーに馴染みの薄い人々にとってはけっして飲みやすいものではなく、広く一般受けするようなものではなかったのです。そもそも、シングルモルトウィスキーはスコットランドの中でも限られた地域で地酒として親しまれていたもので、現在のような世界的な名声からは程遠い存在でした。

しかし、連続蒸留装置の発明と、それを用いたグレーンウィスキー(穀類から作られる蒸留酒)の登場がシングルモルトウィスキーの運命を大きく変えることになったのです。すなわち、シングルモルトウィスキーとグレーンウィスキーをブレンドすることにより、シングルモルトウィスキーの個性を生かしながらも、よりライトで飲みやすいブレンデッドウィスキーが誕生し、それが今日のスコッチウィスキーの世界的な広がりを生み出す原動力となったのです。

さらに近年、スコッチウィスキーの愛好者の間でシングルモルトウィスキーの持つ深い味わいが徐々に理解され始め、またその製品化を切望する声が高まる中で、数多くのシングルモルトウィスキーが世に誕生しました。今では、スコットランドのそれぞれの地域の、それぞれの蒸留所のシングルモルトウィスキーが日本でも手軽に入手出来るようにまでなりました。シングルモルトウィスキーファンにとっては、まことに悦ばしい時代になったといえましょう。

スコットランドには現在100余りの蒸留所があり、主にハイランド、ローランド、アイレイ、キャンベルタウンという4つの地域に分類されています。ハイランド地方は、スコットランド北部に広がる広大な丘陵地帯で、東西南北に各蒸留所が散在していますので、幅広い味覚のバリエイションを楽しむことが出来ます。特に東ハイランドに属するスペイサイド地方は、スペイ川をはさんだ渓谷に沿って点在するスコットランド最大の蒸留所群があり、そこで生み出されるシングルモルトウィスキーは、華やかな香味と滑らかな軽い味わいが特徴です。

ローランド地方は、スコットランド南部の穏やかな平野地帯で、そこで生産されるシングルモルトウィスキーは原料である麦芽の持つソフトな甘みを含み、かつ軽くて芳香の高い製品に仕上がっています。その味わいからも、初心者向けの絶好のシングルモルトウィスキーと言えるでしょう。

アイレイ地方は、スコットランド南西にある島です。周囲を海に囲まれた当地で採取されたピート(麦芽を燻蒸する原料)には、海藻と塩の匂いと味が染み込み、そのピートで燻蒸した麦芽から造られたシングルモルトウィスキーは海の香りとピートの香りが織りなす独特な、そしてスコッチウィスキーの中では最強の香味をたたえることとなったのです。シングルモルトウィスキーを飲み慣れない方の中には、このアイレイモルトの香りにかなりの抵抗を感じられる方も多いと思いますが、一度その味をしめたら最後、強烈なアイレイファンになってしまうこと請合いです。

キャンベルタウン地方は、スコットランド南西部につきでた半島にあるひとつの町です。蒸留所の数は少ないながらも、そのシングルモルトウィスキーは深い香りと、フレッシュで僅かな塩気を含んだ個性的な味わいに仕上がっています。

シングルモルトウィスキーに対する浅薄な知識と、未熟な味覚しか持ち合せていないこの私がこのような文章を書かせていただくことは、まことに僭越な限りです。ぜひとも、皆様御自身の舌と鼻で、シングルモルトウィスキーの持つ、華やかで深いその素晴らしい香味をお確かめ下さい。甚だ微力ではありますが、我々スコットランド協会の活動が皆様のお役にたてれば幸いです。

文献:ウォーレス・ミルロイ著、「スコッチモルトウィスキーガイド」
   マイケル・ジャクソン著、「世界のウィスキー」
   平沢正夫著、「スコッチへの旅」
以上:2,012文字

タイトル
お名前
email
ご感想
ご確認 上記内容で送信する(要チェック
※大変恐縮ながら具体的事件のメール相談は実施しておりません。

 


旧TOPホーム > 趣味 > 東北スコットランド協会 > ”スコッチウイスキーの夕べ”でのシングルモルトウイスキー解説