令和 2年10月 5日(月):初稿 |
○米国大統領選挙は、令和2年11月以降最初の火曜日が投票日とのことで、今回は11月3日が予定されています。そのため投票1ヶ月前の10月は、世論調査で劣勢側が一発逆転の方策を練り、「オクトーバー・サプライズ」との政治用語が生まれたとのことです。一発逆転の方策ではありませんが、トランプ大統領のコロナウイルス感染は世界中を驚かせた「オクトーバー・サプライズ」です。 ○トランプ大統領は必死になって回復ぶりを宣伝していますが、「新型コロナウイルスに感染したドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領(74)は、重症化の危険が高まる高齢、肥満、男性という要素を併せ持っているが、専門家らは今後の病状を予想するのは難しいとしている。」というのがホントのところでしょう。身長190センチでも体重110㎏は結構な肥満です。 ○「トランプ氏の容体について『改善を続けている』と発表した。トランプ氏は米首都ワシントン近くの病院で治療を受けているが、早ければ5日にも退院できる可能性があるという。」との報道がありますが、ホントに回復して、5日に退院して選挙活動を復活したら、コロナウイルスに勝利した偉大な大統領として正に「オクトーバー・サプライズ」になり、一発逆転のきっかけになるかも知れません。 ○「選択」令和2年10月号には、令和2年からは40年も前の1980年米国大統領選挙の「オクトーバー・サプライズ」について記述されていました。現職ジミー・カーター大統領は、共和党ロナルド・レーガン候補にリードされており、一発逆転の「オクトーバー・サプライズ」として、1979年以来継続しているテヘラン米大使館人質占拠事件の10月中人質解放が実現すれば、正に「オクトーバー・サプライズ」になる状況でした。 ○この「オクトーバー・サプライズ」実現阻止のためレーガン陣営では、10月より2,3ヶ月前にイラン側と秘密交渉をして、イランが必要な米国製武器の極秘供給をエサにして、テヘラン米国大使館の人質を大統領選挙の投票日前には解放しないとの密約を結んだとのことです。 ○カーター大統領側は、大使館人質解放の「オクトーバー・サプライズ」実現のため10月下旬まで人質救出作戦を計画し演習を継続しましたが、11月4日投票日直前演習中事故が発生し、作戦を中止し、その結果、投票結果はレーガン50.7%、カーター41%の大差でレーガンが圧勝したとのことです。 ○イランが人質52人を解放したのは1981年1月20日レーガン大統領就任式を終えた5分後とのことで、人質全員がアルジェリア航空機で西ドイツ米軍基地に移されたのですが、このレーガン側とイラン側の秘密交渉を担った人物はレーガン新政権ではCIA長官に就任したとのことです。選挙のためには何でも徹底的に利用する米国大統領の厳しさを実感しました。 ○トランプ大統領の「オクトーバー・サプライズ」は自らの驚異的回復だけでなく、合わせてコロナウイルスワクチン開発が必要でしょうが、どうなることか。 以上:1,241文字
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