平成29年 6月19日(月):初稿 |
○「民事事件法廷で裁判手続き中に斜向かいの法廷で緊急事態発生に驚愕」の続きです。 先ず仙台地裁法廷内状況と法廷配置図です。日刊スポーツ写真ニュースから借用しました。 ○事件発生時私は斜向かいの民事法廷で民事裁判中でした。民事裁判官は、怒号等大声を聞いて、直ぐに緊急事態発生と判断し、民事裁判を中止しましたが、難聴の私は、なにやら大声が聞こえるな、女性の悲鳴も上がったはずですが、子供でも泣いているのだろうかと思った程で、緊急事態と直ぐには判断できませんでした。聴覚障害があると状況判断が遅くなることを実感し、後で、ちと怖くなりました。 ○以下のニュースで、当時の状況が判ってきました。女性の悲鳴も何回か聞こえましたが、「同容疑者の母親とみられる女性が「何をするの」と何度も叫んでいたという。」記事に納得しました。宮城県警の警察官3人が傍聴していて取り押さえてくれたから良かったものの、傍聴人が素人ばかりだったらどうなっていたか大いに不安になる事件でした。 ******************************************* 被告が刃物出し暴れる=判決中、警官2人けが-法廷に5本持ち込み・仙台地裁 2017年06月16日 19時30分提供:時事通信 法廷内で被告が刃物を持ち暴れた事件の後、報道陣が詰め掛けた仙台地裁前=16日午後、仙台市青葉区 16日午前10時15分ごろ、仙台市青葉区の仙台地裁の法廷で、刑事裁判の判決言い渡し中に被告の男が突然、刃物を取り出し、傍聴席の柵を乗り越えて暴れた。宮城県警仙台中央署によると、傍聴中だった県警本部の男性警部補2人が制止しようとして顔や腹などを切られたが、命に別条はなく、他の傍聴人にけがはなかった。 その場にいた警察官が男を取り押さえ、殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。地裁によると、男は山形市の淀川聖司容疑者(30)。今年1月、仙台市内の駅ホームで女性の下着を盗撮したとして県迷惑防止条例違反罪に問われ、保釈中だった。 同署と地裁によると、淀川容疑者は果物ナイフ3本とカッターナイフ2本を着衣に隠して持ち込んでいた。この公判では、法廷に入る際の金属探知機による所持品検査は行われなかった。 公判は10時に始まり、淀川容疑者は無罪を主張していたが、懲役1年の実刑を言い渡された。裁判官が判決理由を朗読中、椅子から立ち上がり、「腐った司法制度」などと叫びながら刃物を振り回した。逮捕後の調べに黙秘しているという。 傍聴席は20席で、ほぼ満席だった。傍聴していた男性(67)によると、廷内は騒然とし、同容疑者の母親とみられる女性が「何をするの」と何度も叫んでいたという。 仙台地裁切りつけ 刃物5本を隠し持つ 金属探知機使用は月1、2回 2017.6.17 07:00産経新聞 厳粛な空間であるはずの法廷に怒号が響いた。仙台地裁で警察官2人が刃物で刺されるなどした事件。殺人未遂容疑で現行犯逮捕された淀川聖司容疑者(30)は刃物5本を隠し持っていた。信じがたい事件の背景には、例外を除いて法廷内に危険物の持ち込みが可能な「ノーチェック」の現状がある。(千葉元、林修太郎) 仙台地裁によると、法廷内には当時、裁判官と書記官、弁護人、検察官が各1人ずつおり、定員20人の傍聴席はほぼ満員だった。裁判官が淀川容疑者に懲役1年の実刑判決を言い渡し、量刑理由を読み上げている最中に暴れ始めたという。 「裁判官が主文を読み上げた時から、様子がおかしかった」。裁判を傍聴していた矢萩進さん(67)=仙台市太白区=は証言する。矢萩さんは切り付けられた警察官の1人の目の前にいた。淀川容疑者は上着の両ポケットに手を入れ、体を揺らすなど落ち着かない様子で、白いハンカチを取り出し、額の汗を拭う場面もあったという。 検察官も様子がおかしいことに気付き、淀川容疑者のもとへ歩み寄ると「裁判官、ナイフ持ってます!」と叫んだ。すると、淀川容疑者は両ポケットから刃物を取り出し、後ろを向いて柵を乗り越え、出口に向かって走り出した。矢萩さんの後ろで傍聴していた警察官が取り押さえたが、その際に刃物で切りつけた。淀川容疑者はその後、連行される際にも「俺は過激派だ!」と叫んでいたという。 地裁によると、金属探知機は所内に複数あったが、淀川容疑者に対して身体検査は実施しなかった。検査を行うのは「暴力団が関係するなど、裁判官が危害の蓋然性が高いと判断した場合」のみで、使われるのは月に1、2回程度という。 今回の事件を受け、同地裁は身体検査の常時検査を行うことも含めて検討し、対策を強化する方針を明らかにした。高裁や家裁、関係職員とも今後の対応を協議していく考えだ。また、同日に地裁で開かれた刑事と民事計18件の裁判で時間や場所を変更。被告が保釈中など拘束されていない刑事裁判5件で、金属探知機を用いて被告らの身体検査を実施した。 <仙台地裁切り付け>衝撃「まさか法廷で」 2017年06月17日土曜日河北新報 「まさか法廷で」。仙台地裁で起きた被告の男による殺人未遂事件に、裁判員制度導入後、「開かれた司法」を掲げてきた裁判所関係者は大きな衝撃を受けた。事件は警備体制の「抜け穴」を浮き彫りにする一方、警備強化は憲法が保障する「傍聴の自由」を制約しかねず、地裁関係者は頭を悩ませている。 捜査関係者によると、殺人未遂の疑いで逮捕された淀川聖司容疑者(30)が法廷に持ち込んだ刃物は、果物ナイフ3本とカッターナイフ2本。判決宣告中に突然立ち上がり、「でたらめ裁判だ」と叫んで上着から果物ナイフとカッターナイフを取り出した。 傍聴していた宮城県警の警察官3人が取り押さえようとした際、2人が顔や背中などを切られた。県警幹部は「命を賭してよく取り押さえてくれた。裁判所を見学中の児童にけががなくてよかった」と話した。 地裁によると、金属探知機などを使った所持品検査は暴力団関係者が絡む事件の公判が大半。裁判官の判断で検査の有無を決めるが、月1、2件程度しか実施していないという。 近年、全国の法廷内で起きた事件は表の通り。高裁がある全国8カ所の裁判所では東京、札幌、福岡が常時、所持品検査を実施。仙台を含む5カ所は自由に出入りできる。 「傍聴の自由」は憲法で保障された権利。地裁総務課は「所持品検査を含め、警備体制の見直しを慎重に検討する。警備レベルを上げると市民が入りにくくなる懸念もあり、安全確保とのバランスを取りたい」と語った。 <仙台地裁切り付け>実刑判決に不満か 2017年06月18日日曜日河北新報 仙台地裁で16日、判決の言い渡しを受けていた被告の男が暴れだし、傍聴席の警察官2人を刃物で切り付けた事件で、殺人未遂容疑で逮捕された山形市鉄砲町1丁目、コンビニ店員淀川聖司容疑者(30)は直前に宣告された懲役1年の実刑判決に不満を募らせ、犯行に及んだ疑いがあることが17日、分かった。 淀川容疑者は今年1月、仙台市宮城野区の駅ホームで女子高校生のスカート内に背後からカメラ付き携帯電話を差し入れたとして、宮城県迷惑防止条例違反の罪に問われた。携帯電話に盗撮が疑われる写真や動画は保存されておらず、淀川容疑者は無罪を主張していた。 弁護側は、検察側が主張する犯行状況と防犯カメラの映像が一致せず、シャッター音を巡る目撃証言が変遷したとして「不自然な点が複数ある」と指摘。結審直前、防犯カメラの映像が再び上映されるなど異例の展開だったという。 弁護人によると、地裁から16日夜、「判決言い渡しは有効」との連絡があった。宣告途中に事件が起きたため、地裁が取り扱いを検討していた。弁護人は近く、控訴する方針。 県警や地裁によると、淀川容疑者は判決理由の朗読中に突然立ち上がり、「でたらめ裁判だ」「この腐った司法制度が」などと叫びながら傍聴席の柵を乗り越え、上着とズボンのポケットから取り出したナイフを両手で振り回した。 取り押さえようとした県警の40代の警察官2人の体を刺し、顔を切り付けて殺害しようとしたとして、仙台中央署に現行犯逮捕された。果物ナイフ3本、カッターナイフ2本を隠し持っていた。保釈中で、凶器を持ち込める状況だった。調べに対し、黙秘しているという。 以上:3,377文字
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