平成28年 8月16日(火):初稿 |
○サンフランシスコ日時平成28年8月15日午前11時から午後1時30分までからサンマテオカウンティ(サンマテオ郡)、午後4時30分から午後6時頃までコントラコスタ郡の各弁護士会弁護士紹介サービスを視察しました。ウィキペディアで調べるとサンマテオ郡は人口71万人程度、コントラコスタ郡 は人口約95万人です。 事情聴取した結果の一部概要は以下の通りです。 但し,難聴者の私が記録したもので、相当部分が不正確でしたが、同行した若い弁護士さん方の速記録を加えて相当部分を修正しました。 ・サンマテオ弁護士会の弁護士紹介サービスは、カリフォルニア州で認証された紹介サービスとしては39番 ※認証のない紹介サービス機関もあるとのこと-違法ではないかと疑問 ・紹介サービス登録要件は,弁護士過誤賠償保険加入・事務所は地域内・1事務所25%以上取り扱わない等 ・先ず電話で弁護士紹介相談のスクリーニング、相談者の問題点を見つけて然るべき相談機関を紹介、電話相談者の9割以上はどのような法的サービスが必要か判っていない ・半分以上は,弁護士以外の行政の相談機関、社会保険局,賃料コントロール専門機関・労働基準局?等への相談を斡旋-相談者の交通整理的役割か? ・弁護士への紹介は利益相反にならないことに注意し、報酬支払い能力を確認して,低所得者には報酬免除のパネルを紹介する ・相談者が30ドルを紹介サービスに支払い,30分間無料法律相談を受けることが出来る。弁護士は無報酬で相談に応じる。 ・紹介サービスが受ける利益は,公立図書館での20分間無料法律相談の広告・宣伝及び資料作成費用等に充当して社会還元する。従前はカリフォルニア弁護士会が行っていた。 ・紹介サービスからの紹介で事件受任した弁護士は,事件報酬の100ドルを超えた部分の15%を紹介手数料として紹介サービスに支払う ※昨年,1件で5万4000ドルの紹介手数料を受け取ったケーズもあるとのこと。この場合の弁護士報酬は、1件で3601万円と推定されます。 ・紹介サービスは新人弁護士の仕事獲得に効果的。自分がやりたい分野のパネルに登録することでやりたい仕事が来る。また、既に一定分野に確立した弁護士も新たな分野開拓のために新たにパネル登録すれば良い。 ・パネル登録料は50~700ドル。一般パネルが9,特別パネルが12、パネルを更に細分化したサブパネルもある。登録パネル追加毎に35ドル追加支払い。 ・2014年のカリフォルニア州全体の弁護士紹介サービス相談件数は50万件、内弁護士に紹介する件数は40%程度、なお、紹介サービスは、依頼者・弁護士間の報酬額を含めた委任契約には一切関与しない。 ・紹介サービスの目的は、弁護士費用を支払えることを前提に、安い費用で、どのような法的サービスを得られるかをわからない人に教えること。 ・サンマテオ郡(人口約71万人)全体の弁護士数は約3500人,内サンマテオ弁護士会会員登録弁護士は約1380人,弁護士紹介サービス登録者数は2014年92名,2015年96名。 ※人口71万名のところの3500人も弁護士が居るのには驚き,カウンティ弁護士会は強制加入ではないため半分も登録していない、宮城県は人口233万人で弁護士僅か432名(^^;)。3500人も居るのに弁護士紹介サービス登録者数は僅か96名には更に驚き。 ・僅か96人の登録者しかいないのにサンマテオ弁護士会弁護士紹介サービスの2015年年間相談受付件数4~6000の内弁護士紹介件数は2031件。15%の手数料の合計は20万ドル。96人の登録手数料は合計24万ドル。 ・紹介サービススタッフは弁護士に限らない。スタッフとしてのトレーニングは弁護士から受ける。紹介サービスを管理する管理委員会のメンバーは、現在全員弁護士。 ●Eric Liberman弁護士の話し ・サンマテオ郡弁護士会のPrivate Defender ProgramのManaging Attorney。 ・現在のポジションに就く前の31年間はprivate practiceを経験。その間当紹介サービスに登録していた。 ・報酬の取扱いについては民事と刑事で異なる。刑事弁護の場合は、依頼者が紹介サービスから来てもそれ以外のルートからの依頼の場合と同じ報酬設定。具体的な金額は事件のタイプによって異なる。 ・人身傷害の場合は、相手方に保険会社がついていて損害賠償金が保険金でまかなわれることが確実なケースでは、完全成功報酬(contingency fee)でやる。 ・人身傷害事件についても弁護士紹介サービスから来た事件と他の事件で同じ報酬設定。成功報酬の金額は原則として勝ち取った金額の1/3、ただし、トライアルにまで行く場合は40%。通常はトライアルに行く前に和解する。未成年者の事件の場合は、報酬金額について裁判所の承認が要件となり、25%が上限。 ・Eric弁護士の場合は当紹介サービスからの案件は年間2~3件。 ・弁護士がLRSに登録する目的は、利益を得るのが第一目的。特に刑事の場合はLRSの仕事が顧客のリピートや他の顧客の開拓につながることもある。パブリックサービスという目的もある。 ・米国には法律扶助制度はない。刑事の国選弁護はある。紹介サービスは有償が原則。ただし、お金がない人向けのlimited scope panel(これだけのお金しかないので限定したこの作業だけやってくれというサービス、例えばこの書類だけ作ってくれとか。)もある。 ・登録弁護士が,極端に少ない理由は,登録しても受任事件数が多くなかったり、或いは登録手数料が高いことか ○8月15日もカメラを持参するもSDカードを外しままであることに気付かず,撮影した写真はカメラ内部メモリーに保管されました。この内部メモリーのデータは、どういうわけか読み取れず,ノートPCに移すことが出来ません。相当枚数撮影したはずですが,現時点ではデータとして全て再生できず,残念ながら紹介も出来ません。 以上:2,461文字
|