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裁判所書類偽造 弁護士会が法律事務所事務職員を告発-そんな!そんな!

平成27年 7月27日(月):初稿
○またしても法律事務所事務職員が、破産事件での「免責許可決定書」を偽造する事件が発覚しました。「またしても」とは、数年前にも同様の事件が私の所属する仙台弁護士会の法律事務所で発生していたからです。私が、「そんな!そんな!」と違和感というか驚きを感じたのは、弁護士会が公文書偽造・同行使容疑で、偽造した法律事務所職員を告発したことです。

○お客様からその破産事件を受任したのはその事務職員ではなく、職員を雇用する弁護士です。その破産事件に関する全責任を負うのは雇用主弁護士です。依頼した弁護士の破産手続事務遅滞によってお客様に損害が生ずることはよくあります。典型的には、債権者から給料差押を受ける場合です。破産決定が出るまでは給料差押等強制執行手続はできるからです。数年前、ある弁護士に破産手続を依頼したのにその手続を放置されて給料差押されてしまったという事案の相談がありました。私は、その無責任さに呆れて、直ちに懲戒申立すべきですと回答しました。

○繰り返し記載してきましたが、特に個人の破産事件は、弁護士にとっては美味しい事件になっていました。個人破産事件は、弁護士は報酬だけは受け取り、あとは事務員に丸投げできる事件だからです。私の事務所でも個人破産事件は多くの部分を事務員にやってもらいました。しかし、当然のことですが、自己破産手続開始申立書等裁判所に提出する書面は、必ず私自身が目を通していました。さらに定期的に-原則1週間に1回-事件点検会議として、事務員全員で全事件の進捗状況を確認していました。

○以下の記事によると「受任から現在まで5年以上経過するが、破産手続きは『放置されていた状態』で、今年3月中旬、別の破産事件に関して、債権者代理人から事務所に進捗(しんちょく)状況を確認する連絡があり、弁護士が職員に事情を聞いたところ、容疑が発覚した。」とあります。この「事件を放置」したのは、事務職員ではなく、雇用主弁護士です。事件を受任し報酬を貰って全責任を負うのは雇用主弁護士だからです。弁護士会は事務職員を県警に刑事告発する前に弁護士を懲戒申立すべきであり、それを発表せず、事務職員の刑事告発だけを発表する姿勢に驚き、「そんな!そんな!」となった次第です。

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裁判所書類を偽造 弁護士会が法律事務所事務職員を告発
Web東奥 7月24日(金)10時34分配信


 破産事件に関して裁判所が作成する書類を偽造し、依頼人らに渡したとして、県弁護士会(竹本真紀会長)は23日、公文書偽造・同行使容疑で、同会に所属する弁護士の法律事務所の事務職員を県警に刑事告発したと発表した。同日、同会が青森市内で開いた記者会見で明らかにした。告発は7日付。
 会見では職員について10年以上の職務経験があるとした一方で、氏名や年齢、性別、事務所名などの詳細は捜査の支障になりかねないとして、公表しなかった。職員は容疑を認め、今年6月までに退職している。

 同会が告発したのは事務所が2007年1月と09年3月に受任した破産事件の2件分。職員はそれぞれ13年1月と14年2月に、依頼人の破産申立手続きの処理が遅れたことを隠すため、裁判所が別の破産者に出した「免責許可決定書」の氏名欄に依頼人の名前を印字した紙を貼り付け、コピーした上で依頼人らに渡していた。受任から現在まで5年以上経過するが、破産手続きは「放置されていた状態だった」(竹本会長)。

 今年3月中旬、別の破産事件に関して、債権者代理人から事務所に進捗(しんちょく)状況を確認する連絡があり、弁護士が職員に事情を聞いたところ、容疑が発覚した。
 同会が同会所属の法律事務所関係者に対して刑事告発するのは今回が初めて。竹本会長は「二度とあってはならない事態。注意喚起を行い、再発防止を図る」とした。

以上:1,606文字

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