平成26年 9月15日(月):初稿 |
○平成26年9月14日午後から某地方都市に来ています。仙台から新幹線で1時間30分ほどのところにありますが、この地で発生した交通事故事件の現場検証のためです。最近は仙台以外の交通事故事件も積極的に受任するようにしています。事故現場が東京で東京地裁に訴えを提起する事件も受任しています。最近は、全国対応を謳う交通事故専門弁護士HPが増えていますが、私もせめて東北・関東くらいは対応したいと考えています。 ○一昔前は、東京の事件は東京の知り合いの弁護士に紹介していましたが、最近はその余裕がなくなりました(^^;)。東京の弁護士が仙台に支店を出して仙台の事件も積極的に行う時代になりました。支店を出さなくても例えば仙台の小さな倒産事件を東京の弁護士が受任している例も目につくようになり、地域を越えて弁護士間競争時代に入ったようです。 ○東京であれば連泊で日弁連委員会出席を口実に毎月1回は出張しておりお客様との打ち合わせ・現場検証等十分に可能です。また定宿から事務所サーバーにアクセスして事務所にいるときと同様に書面作り等が可能です。東京の事件も積極的に受任したいと思っておりますが、HPで大々的に宣伝するまでの根性はありません(^^;)。 ○東京と言えばデング熱発生源となった代々木公園があります。日弁連会館近くの日比谷公園は何度も通ったことがありますが、代々木公園は行った記憶がありません。夏が過ぎて蚊は居なくなるはずですが、公園は注意すべきでしょう。このデング熱、当初、「テング」熱と覚えていました。ニュース報道を何度も見て、濁点の存在にきづいて「デング」熱と判りました(^^;)。 ○しかし、「【コラム】「テング熱」じゃないよ「デング熱」だよ!間違える人続出中!」、「これはアツい!「デング熱」じゃなく「テング熱」に冒されたサイトみつけた」なんてサイトもあり、「テング」熱と覚えていたのは私だけではないようです。ところが、小林正啓弁護士のブログに「司法試験合格者、新型テング熱に感染か」なんて記事が登場して、法曹界では少し「テング熱」が話題になっています。 ○同記事は、「このエントリはフィクションです。実在の団体や個人には一切関係ありません。」とありますが、小林弁護士らしい皮肉の効いた大変面白い内容で、笑ってしまいました。しかし、良く読んでみると、私にとっては、正にフィクションと感じる部分もありました。 司法試験は、裁判官、検察官、弁護士になるため必要な資格試験であり、平成元年ころまでの合格率は2%未満だったため、最難関の国家資格といわれた。この当時のテング熱は、受験生が司法試験に合格した途端、受験予備校の職員から「先生、先生」と呼ばれることによって感染することが多く、「鼻持ちならないエリート意識」「苦労自慢」「参考にならない合格体験記執筆」などを主症状としていたが、多くは司法修習中に、自分よりはるかに優秀な同期生がたくさんいる現実に接して、治癒していた。の「多くは司法修習中に、自分よりはるかに優秀な同期生がたくさんいる現実に接して、治癒していた。」という部分です。 ○このテング熱は、「司法試験に合格した途端、受験予備校の職員から『先生、先生』と呼ばれることによって感染」とありますが、田舎で一人勉強していた私は、受験予備校は通信で、予備校の職員から「先生、先生」と呼ばれた経験はありません。しかし、弁護士になった途端に、「先生、先生」と呼ばれ、次第にオレも偉くなったとの勘違いが進んできました。また、弁護士の数が少なくて、お客様はいったん依頼すると殿様扱いしてくれるために、その勘違いがますます大きくなり、「テング熱」症状は進行したもので「治癒」は殆どないと思われます。 ○しかし、私にはこの「テング熱」症状は、小林弁護士の言う例とは少し違うかもしれませんが、私だけでなく、弁護士全般に蔓延していたように思えました。特に弁護士が少ない地方に行けば行くほど殿様ぶりが目につき、お客様を取るための営業は必要なく、お客様を上から目線で叱りつけた上に、お金を貰え、その上、お客様からお世話になりましたと、感謝の言葉を頂けるもので、こんな恵まれた商売はないと思うと同時に、こんな状況はいずれ覆されるだろうと覚悟しました。 ○債務整理・最高裁判決後の過払い金返還請求事件など弁護士の仕事の7割は難しい司法試験に合格しなくてもできるものです。実際、多くの弁護士は、債務整理・最高裁判決後の過払い金返還請求事件は事務員に丸投げしてやっており、また、弁護士資格のない非弁でも十分にやっており、非弁が荒稼ぎをしていた例が相当あります。だとすれば司法試験の合格レベルを下げ合格者を増やし、弁護士資格者を増やして殿様商売をなくせとの声が上がって当然です。しかし、殿様ほどよい商売はなく、殿様回帰を目指したくなるのも人情として当然ですが、もはや、許されないでしょうね。 以上:2,015文字
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