平成26年 9月 5日(金):初稿 |
○「日弁連業革委員会配布弁護士関係報道等紹介」で、 ・平成26年8月7日読売新聞から 法律相談曲がり角 法テラス始動後、件数激減 弁護士会、無料化や値下げ 有料か、無料か。市民向け法律相談を巡り、全国の弁護士会が揺れている。 司法書士、行政書士 「無料」が一般的 千葉県弁護士会は4月から、相談料を5000円から2000円に値下げした。 と紹介していました。 ○仙台弁護士会も法律相談センターとして法律相談事業を行っていますが、東日本大震災前の平成22年12月18日時点で「弁護士会館有料相談激減-弁護士も淘汰時代突入実感」で、「ここ数年、会館1階法律相談センターを訪れる相談申込者の数がめっきり減り始め、特にここ1,2年は、その待合室部分は,ガラガラで閑古鳥が鳴いているとった状況が続いているように感じています。」と記載していました。 ○この記事の最後に「全般に少なくなっているお客様は、法テラス、各地の無料相談所、宣伝広告を派手に打つ事務所等に流れ、更に弁護士大増員の影響もあり、マーケッティング活動等の努力をしない弁護士は、益々仕事が少なくなることは確実で、弁護士淘汰時代突入を実感しているところです。 」とも記載していましたが、翌平成23年は3月11日発生東日本大震災の影響で、一時交通事故等一般事件相談もパタリと止まったこともありました。 ○東日本大震災後は、震災関連法律相談が増え、弁護士の仕事も増えるかと期待したこともありましたが、私個人に関しては震災関連相談があっても殆ど無料相談止まりで事件として受任し売上になったものは殆どありませんでした。まもなく震災後3年6ヶ月を経過しますが、震災関連事件は全く扱っていません。おそらく震災関連事件で売上を上げているのは原発関連事件だけと思われますが、私には無縁です。 ○「愛知県名古屋市の中小企業・相続・離婚専門弁護士ブログ」の平成26年8月21日「大都市の弁護士会の法律相談事業の問題点 」で弁護士会の法律相談事業が市民の支持を失っている原因として、弁護士広告解禁と法律相談担当弁護士品質不担保(質の低下)の2つを上げています。 ○私も基本的に同感ですが、より広くネット普及等情報開示社会が最大の理由と思っています。1,2年前ある公証人から聞きましたが、ネットで遺言書の書き方を調べて直接公証人事務所を訪れる方が増え、最も多く、次に司法書士・行政書士経由の方も多く、弁護士経由での遺言作成業務が一番減っているとのことでした。 ○弁護士広告解禁によって無料法律相談を謳い文句とする弁護士HPも激増し、また、弁護士紹介サイトによる無料相談も最大規模の弁護士ドットコムを始め激増しています。法テラスを始め、各地に無料相談所も増えており、なにも5000円もの相談料を支払う弁護士会相談に行く必要性は殆どなくなりました。有料弁護士会相談激減は当然な情勢です。 ○私自身、最近は相談は電話無料相談で済ませることが多くなりました。相談申込電話の半分は、電話で10分程度話せば解決するもので、これをいちいちご来所頂くのも気の毒だと思うからです。直ぐに事件として弁護士の受任が必要な事例は、10件電話相談申込があると2,3件です。10年前までは電話で相談申込があると内容を詳しく聞かずに原則としてご来所頂き、相談料も頂いていました。しかし、5分10分で、回答可能な問題にわざわざ長時間かけてご来所頂き相談料まで頂くのは申し訳ないと感じて、現在の方式になりました。 ○先ず電話で5分程度内容を確認し、電話相談・回答で十分と判断すれば、無料電話相談にしますとして、必要な回答をします。内容確認の結果、契約書等シッカリ精査し、或いはご本人のお顔をシッカリ拝見しての回答が必要と判断すれば、電話だけでの相談は無理としてご来所を促し事務所での面談相談とします。弁護士会での面談相談でも電話相談で十分と思える事案も結構あります。弁護士会相談も電話無料相談を原則とするなどの柔軟な対策が必要な時代になったはずで、ご利用頂くための工夫が欲しいところです。 以上:1,669文字
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