平成26年 2月21日(金):初稿 |
○仙台弁護士会所属弁護士坂野智憲弁護士の平成26年2月18日付「仙台弁護士会法律相談センターの直受件数・直受率・弁護士紹介件数がいずれも激減」との記事で、平成25年の「本庁所在地の法律相談センターの相談数は4449件(有料、震災相談、扶助相談、夜間土曜相談の合計)。このうち相談担当弁護士が受任した件数が僅かに132件。直受率は2.9%。弁護士紹介件数は216件。」と言う事実を知りました。出典の平成25年仙台弁護士会会務報告は、私も貰っていますが全然読んでいませんでした(^^;)。 ○仙台弁護士会本庁法律相談のメインは平成15年に完成した仙台弁護士会館1階の相談室で行われます。「弁護士会館有料相談激減-弁護士も淘汰時代突入実感」記載の通り、「(平成15年の)新会館完成後数年は、1階の法律相談センター待合部分には随分人が溢れていたように記憶しています。有料法律相談担当の時、上記4時間30分の間に10件以上の相談を受けることも珍しくありませんでした。」が、平成22年12月時点では、「会館1階法律相談センターを訪れる相談申込者の数がめっきり減り始め、特にここ1,2年は、その待合室部分は,ガラガラで閑古鳥が鳴いているとった状況が続いている」、「有料相談は、直接受任が原則で、数年前までは、一日の有料相談で数件直接受任することも珍しくありませんでしたが、ここ1,2年直接受任も殆どなくなりました。」と記載していました。 ○ですから、平成25年仙台弁護士会法律相談センターの直受件数等激減報告を聞いても、別に驚くことではありませんが、本庁の相談件数4449件は随分多いなと感じました。この件数は、おそらく法テラス実施無料法律相談を仙台弁護士会法律相談センターでも行っており、その件数が加わっているからではと推測しています。無料だと、内容が法律相談ではない、身の上相談的な相談も多くなります。無料故に何でも気軽に相談する気になるからです。 ○平成12年に広告解禁が実施されましたが、しばらくは様子見で派手な宣伝はなかったのですが、広告解禁数年を経ると、広告三大事務所始め、派手なHP、TV相談が激増し、ここ数年は弁護士業界も激しい宣伝広告競争の時代に突入し、特にHPでは弁護士広告が溢れています。お客様が弁護士に有料で依頼する時は、多くの場合、パソコンやスマホで弁護士HPをつぶさに検討して、気に入った事務所を数件選択し、電話等で様子を見て、その上で最終の選択をすると思われます。 ○ですから、弁護士会法律相談センターを訪れる方は、無料の身の上相談的なものが多くなり、弁護士の事件として受任に繋がるものは僅かしかないと思われ、直接受任率激減は当然の結果です。仙台弁護士会館竣工後2,3年は、弁護士会法律相談センター経由で受任する事件が年間10件近くあったように記憶していますが、ここ数年、LACの交通事故相談を除くと殆どありません。坂野弁護士は、「もはや弁護士会の法律相談が会員にとって業務対策の意味を持たないことは数字が示している。(中略)もはやこのご時世では、業務対策は個々の会員が創意工夫してやるほかない。間違っても法律相談事業の拡充で業務対策をやろうなどとしてはならないと思う。」と述べられていますが、私も全く同感です。 ○ 以上:1,355文字
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