平成24年12月 7日(金):初稿 |
○ダイヤモンド社のビジネス情報サイトに「弁護士選びと法律の新常識 安定・高収入も今や昔の弁護士業界 あの手この手を使い需要開拓を図る」との記事が6回にわたって連載され、最後に世論調査として、「質問1 弁護士の平均所得が減っているどう思いますかか?」との質問への投票コーナーがあり、その結果が、以下の円グラフで表示されています。 上記円グラフの通り、「弁護士の平均所得が減っているどう思いますかか?」との質問に対し、平成24年12月7日午前5時30分現在時点での結果は、 □時代の流れとして当然のこと 43.20% □市場が決めるので致し方ない 41.42% □専門性を考えると安すぎる 13.61% □わからない 1.78% でした。 今後、「専門性を考えると安すぎる」の割合は、この記事の閲覧・投票者に弁護士が増えれば増え、弁護士以外が増えれば減るでしょう。おそらくこの記事を読んで「専門性を考えると安すぎる」と弁護士に同情してくれる方は、弁護士以外の人は、殆どいないと私は考えています。 ○要するに世間一般の人で、特に弁護士を利用した経験のある方は、殆どが、弁護士の平均所得が下がることについて、当たり前と思っているはずです。上記投票結果は、約85%が、「当然」と思っていることを示しており、おそらく、「専門性を考えると安すぎる」との回答は、記事を読んだ弁護士だけで、弁護士以外は、99%「当然」と思っていると考えた方が無難でしょう。 ○つい10数年前までの①法律事務独占、②少数者による寡占、③競争排除(統一料金・宣伝・広告禁止)の三大特権で堅く守られて殿様商売を堅持してきた弁護士業界について、世間一般の弁護士評価は、大変、厳しいものがあり、そんな大甘特権を排除しろとの大合唱が起きて、司法改革の名の下に弁護士から特権が奪われ、普通のサービス業への変換を迫られたと私は理解しています。 ○弁護士への不満は、声なき声が多かったものが、ここ数年は、「弁護士と闘う」なんてサイトも出来て、大きな不満の声が上がっています。弁護士が増えすぎて、食えない弁護士が増えたから、弁護士合格者を1000人に減らせ、極端には元の500人に戻せなんて声も上がっていますが、こんな声を上げるのは弁護士だけで、世間一般からは到底容認されないと言う当たり前のことが、弁護士の多くは思い至りません。こんな事を言う私は、弁護士界では鼻つまみです、なんてのは冗談ですが、兎に角、弁護士業界は、サービス業者としては、まだまだ、甘い体質が多く残存しています。 ○かくいう私の事務所も、最ピーク時からすると2割どころか、3割以上売上が落ち込んでおり、50代の平均売上からみても、60代は2割以上落ちるであろうと推測せざるを得ない状態です。しかし、私自身は、これまで上記三大特権に守られて余りに恵まれすぎていたと自覚して、親としての責任が残っているあと数年、弁護士稼業で何とか親の責任を果たせるよう、努力を継続して細々でも、必死で稼業に勤しんでいこうと思っております。 以上:1,261文字
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