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法科大学院での法律実務教育は一体何をしてるのか

平成24年 4月20日(金):初稿
○「セクハラ発言常習犯小松弁護士発言問題視されるも反省なし」を続けます。
ここで「当時の司法修習は丸2年間で、4月から始まり7月下旬まで当時上野にあった司法研修所で4ヶ月間前期修習を受け、白表紙という実務記録を読まされて民事刑事の判決書、起訴状、訴状、準備書面等実務で使う書面の起案基本を繰り返し叩き込まれ、」と記載しておりましたが、現在の実務修習は、1年間に短縮され、研修所の前期修習に該当するものはなく、いきなり、実務庁に配属されます。

○私の事務所にこの4月から配属された司法修習生は、検察庁2ヶ月、刑事裁判2ヶ月と刑事分野実務修習を経て、3番目の実務修習として、選りに選って、幸か不幸か、当事務所に配属されてしまいました。弁護士修習開始式で、いきなり、「男子修習生は要らなかった」との無慈悲なセクハラ発言を受け、配属後も「自己に甘く他に厳しく」をモットーとするとんでもない指導教官の厳しい指導にも,めげずに頑張り日々成果を上げています(^^)。

○司法修習期間2年時代は、前記の通り、前期修習4ヶ月(正確には7月20日頃まで3ヶ月半程度か)の間に民事裁判、刑事裁判、検察、民事弁護、刑事弁護を現役バリバリに実務家から講義を受けて、白表紙と言う実際の事件記録の書籍を渡されてこれを基に判決書、起訴状、訴状、準備書面等の起案、起案の連続でした。民事弁護講義の起案講評の時に訴状に、請求の趣旨の記載漏れ等があると、「こんな大事なことを落とすようでは弁護士としては食べていけなくなるだけです」なんて厳しい講評があったことを記憶しています。勿論、私に対する講評ではありませんが(^^;)。

○私は、合格者数が増えても、合格者の質を落とさないように充実した法学教育を施すための法科大学院制度が出来たので、研修所の前期修習に相当するような実務教育が法科大学院でなされているために、研修所前期修習はなくなったとばかり思っていました。ところが、司法修習生から聞いてみると、法科大学院ではそこまではやっていないとのことです。ですから、新司法試験合格司法修習生は、民事弁護修習のため法律事務所に配属されても実務文書作成の基本も学んでいないため訴状の起案をさせても先ず形式的なことから判っていませんので、まともな訴状は書けません。

○そこで3日間程度弁護士会担当委員会で実務文書の書き方の基本を教えるための統一修習を行い、白表紙に相当する簡単な事案説明書を配布して訴状を起案させて簡単な講評をしています。しかし、2年修習時代に約4ヶ月の司法研修所前期修習でやったような詳しい説明は、3日間程度の統一修習では到底出来るはずがありません。統一修習で起案した民事訴状が指導教官に配布され、目を通した上で、修習生に返却しますが、最初の起案は基本の研修がなされていないに等しいですから、先ず基本の型からなっていないのが普通と思われます。

○指導教官としての守秘義務があり、当事務所配属修習生が弁護士実務修習最初に起案した訴状の内容・程度等は公表はできませんので、あくまで一般論として述べますが、おそらく、殆どの修習生の出来は,相当ひどい出来であると推測されます(^^)。弁護士実務指導教官としては、おそらく、訴額及び貼用印紙代の計算から始まる、実務では事務局がやっている実務から教え、訴状の当事者欄の表示方法、請求の趣旨として押さえるべき事項、請求原因の記載方法等の基本の基本から教えなければならないと推測しています(^^)。要するに前期修習民事弁護授業で教えることを法律事務所で教えなければなりません。あくまで一般論で、当事務所配属修習生については一切触れません。

○法科大学院は高い授業料を取って法律実務家を養成するところですから、実務文書の基本の基本、研修所前期修習で教えた実務の基本位教えてくれよと言いたくなります。
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