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離婚届出を出した日-A弁護士の励ましに涙

平成24年 2月27日(月):初稿
○平成24年2月、60年と数ヶ月の生涯で、瞼に焼き付いて忘れられないシーンが何件かありますが、その中の一つに昭和60年5月18日があります。朝一番で仙台市役所の戸籍係に最初の結婚の離婚届を出した日でした。その数日前に、離婚届け出を作成し出すばかりになっていましたが、どうしても自分で出す気になれず、事務員に依頼して提出しようとしたら、事務員は窓口で本人でなければ受け付けられないと返されたと言って、届出書を私に戻してきました。

○当時、仙台市役所では、まだ土曜日午前中も受付事務を行っており、昭和60年5月18日午前8時30分朝一番の受付で離婚届出書を自ら提出したときの恥ずかしいと言うか、兎に角、気の重い作業を行ったときの嫌な感覚が今も残っています。離婚を心から望んでやっと相手方から離婚届出書にサインを貰い、待ちに待った離婚届出提出の場合もあるでしょうが、私の場合は、当時、生後9ヶ月の我が子との別れが辛く、最後まで離婚に反対したのを、相手方から押し切られての離婚でしたので惨めな敗残兵の心境で、オレの人生はこれでお終いだとの心境にさえなりました。

○その日は、年に一度の弁護士協同組合定期総会があり、総会終了後家族懇親会がありましたが、到底、家族懇親会には出席する心境ではなく、離婚問題を相談していたAさんを誘って先に帰り、帰り道Aさんに今朝朝一番で離婚届出書を出したことを報告しました。Aさんは、ガックリ肩を落としている私を元気づけるため、ポンと肩を叩いて、「今日は、Cさん、Dさんを誘って、小松君の励ます会だ。頑張れ!」と励ましてくれ、思わず涙ぐんでしまいました。

○Cさん、Dさんは当時Aさんも含めて最も親しく付き合っていた仲間の弁護士たちで、その晩は、Aさんの自宅にCさんご夫妻、当時独身だったDさんが集まり、私を含めて弁護士4人とAさんの奥様BさんとCさんの奥様の6名で、私を励ます会を開催し、Aさんの奥様Bさんが手料理をご馳走してくれました。

○「敗因分析-私の場合1」に「離婚の報を聞いた親しい同業の友人3名がその晩私を励ます会を開いてくれ、友の前でハラハラと涙を流したことを昨日のことのように覚えています。」記載したとおり、我が子との別れの辛さで、ボロボロと涙を流す私に、Aさんの奥様BさんとCさんの奥様が一緒に涙を流してくれました。この時、私の悲しみを受け止めてくれ、一緒に涙を流してくれる方々が居ると言うことを、心から有り難いと思い、人間の情の有り難みを痛感し、いち早くこの場を設定してくれたAさんに心から感謝の念をもちました。

○私にとって、離婚は、大変辛い経験で、離婚後3年間は、1日一度は別れたわが子を思い涙を流す、メソメソした日々が続きました。恥ずかしながら、以下に当時の心境を綴る日記を公開しますが、全てに自信を失い、挫けそうになることがよくありましたが、こんな私を心配して、共に涙を流してくれる仲間が居ることが私の支えになりました。
その大恩あるAさんを、私が全く支えることが出来なかったことが痛恨の極みで、その死を知った数日間は、精神状態混乱が続きましたが、今は、最愛の妻Bさんを安らかにお休みしていると思うようにしています。

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 数日後の(昭和60年)5月12日の日曜日、前妻は予想通り、離婚届を出して欲しいと連絡してきました。
 しかし、すでに決意したことであっても、実際に離婚の届出を出すことは実に苦しいことでした。明日又明日と延ばして、結局(昭和60年)5月18日の土曜日の朝一番で、意を決して届出を出しました。

 その日は、年に一度の弁護士協同組合の総会の日で、昼からは家族交えての昼食懇親会の日でした。
 何とか、総会議事までは出席した私は、到底、家族交えての昼食会に出る心境にはなれず、Aさんを誘って先に帰り、その時、Aさんにその日の朝、離婚届を出した旨報告しました。
 最後まで離婚には反対されていたAさんは
 「そうか。仕方がないな。
今日の晩はCさん、Dさんと3人で小松君の励ます会だ。
頑張れや。

と、肩をたたいて元気付けてくれました。
 私は、友の有り難さに思わず涙を流しました。

 我が子との「別れ」の本当の悲しみがどっと押し寄せて来たのは、離婚届を出してからでした。
 朝、目が覚めると最初に我が子のの顔が浮んできます。そこで、まず1日の最初の涙を流します。そして、自分で朝食の準備をして(牛乳を沸して餅を焼くだけですが)餅を食べながら、NHKの朝の連続テレビ小説「澪つくし」を見ます。

 この番組は、津川雅彦扮する坂東久兵衛と沢口靖子扮するかおるらの父と娘の情愛がテーマとなっており、実によく私の心に響く場面が多く、昔の私でしたら全く涙など流さないシーンにも我が子への思いが重なり、胸が締めつけられて、殆ど連日のようにボロボロと涙を流しながら見ております。

 涙を乾かしてから事務所にむかいます。街を歩いているとき、店で買物をしているとき、ときにヨチヨチ歩きの子供が目に入るともうだめです。我が子への「想い」が込み上げ、私の目から涙となって出てきます。歌の文句じゃないですが、「上を向いて歩こう、涙がこぼれないように」と苦労する状態が続きます。


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