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昔の弁護士は儲かる商売ではなかったはず2

平成23年 1月12日(水):初稿
○「昔の弁護士は儲かる商売ではなかったはず」に「何れにしても昭和40年代当時は弁護士になっても若い内は仕事も乏しく楽ではないとの認識だったように思います。それが何時の頃か、社会的ステータスの高い職業として医者か弁護士と並列的に言われ、更に弁護士はお金になる商売と誤解が生まれました。」と記載していました。この「昔の弁護士は儲かる商売ではなかったはず」との思いは、松本清張氏原作映画「黒の奔流」の主役山崎努氏が演じる矢野法律事務所の大変みすぼらしい印象から生じています。

○松本清張氏は綿密な取材で裏付けられた実情を描くことには定評がありましたから、松本氏の小説が正に当時の若手弁護士の実態と確信し、更に、私が大学に入り司法試験を目指すと宣言したら親戚が東京で弁護士をしていると言う近所のおばさんから弁護士さんて生活が大変らしいですよと伝えられていたこともあり、大学時代の私は、弁護士はそれ程儲かる商売ではないとの強い意識がありました。

○それでも何故弁護士を目指したかというと、当時、司法試験は、受験者50人に1人しか合格出来ない国家試験の中で最難関であり、1日10時間以上の勉強を少なくとも3年以上継続して積み上げると自分の背の高さ以上の教科書・参考書を読み込まないと合格レベルに達しないとの言い伝えに、いわばそこにある高い山に登るとの願望があったからでした。

○経済的にはそれ程ペイしないけれども、郷里気仙沼で開業すれば食いっぱぐれはないだろうとの安心感もありました。当時、気仙沼には弁護士が2人しかおらず、2人とも大変忙しく仕事をしているとも聞いていたからです。昭和40年代の弁護士数は、全国でも7~8000人台であり、これしか居なくても経済的には楽ではないとの認識でしたが、サラ金バブルのお陰で全国弁護士数が2万人を超した平成17年以降数年間は若手弁護士でも楽に稼げるようになり、弁護士になれば楽にお金が稼げるとの誤解が生じました。

○若い弁護士でも簡単にお金を稼ぐことができたサラ金バブルは,正に「バブル」で、本来の正常な弁護士業務ではありません。弁護士は、昭和40年代の全国7~8000人台時代でさえ経済的には楽ではないと言われていた訳ですから、3万人にもなれば楽でなくなるのは当然で資格を持っただけでは食えなくなるのも当然です。簡単に食えなくて当然な時代、必死の営業活動で食う道を探すしかないと感じた次第です。

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弁護士、3万人時代 過疎改善も都市部は激戦 若手は“悲鳴”
産経ニュース2011.1.10 22:44
 法曹人口増加の政府方針により弁護士が15年前の約2倍の3万人を超えた。地方の弁護士過疎に改善傾向がみられる一方、都心では競争激化で若手弁護士を中心に「仕事がない」との“悲鳴”も。法律事務所に就職できず、弁護士にならない人も急増している。

 日弁連によると、昨年12月16日現在で弁護士は約3万300人。年々増加する中、日弁連は地裁支部管内に弁護士が全くいないか1人しかいない「ゼロワン地域」解消のため、事務所開設資金を支援。その結果、1990年代に50カ所あった「ゼロ地域」は昨年末に消滅。それでも、関西地方のベテラン弁護士は「地方は経験10年未満の弁護士が過半数。サービスの質はまだ十分でない」と話す。

 一方、東京や大阪では激戦の様相。国選弁護人になるべく1日数件程度の依頼や抽選に若手弁護士が群がっているという。

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