平成22年10月28日(木):初稿 |
○東京第二弁護士会では、NIBEN Frontierと言う機関誌を発行していますが、過去の掲載記事の中から、読者から高い評価を受けた、東京地方裁判所裁判官が執筆された専門訴訟等に関する記事を精選し、別冊版として発行しているとのことです。購読はFAX申込が出来るとのことです。早速、申し込む予定ですが、畏敬する関根稔弁護士HPに一部が掲載されていましたので、引用させて頂きます。 準備書面に関する質問に対する回答で、弁護士としては正に必読の部分です。 ************************************** 質問 …… 依頼者との関係上からも、準備書面の分量は多い方が良いか。 ●分量は少ない方がよい。依頼者との関係上、多い方がよいというのはわかる。しかし、最終的には裁判官の頭に入りやすいものでないと、意味がないのではないでしょうか。 ●分量は少ないほうがよい。簡にして要を得ることが大切。よほどの大事件でない限り、10枚を超えるような分量の準備書面は、読みたくないし、読んでもすぐには理解できない。 ●やたら長い準備書面は気力を奮い起こさないと読めない。理想は4~5枚の範囲内で要領良く書かれているもの。 ●要点を衝いてさえいれば、分量は少ないほうがよいと思う。冗長な書面は逆効果。依頼者もそんな表面的なことで評価するとは思えないのだが。 ●裁判所に対しては、本当に必要な事柄であればまだしも、依頼者向けで厚い準備書面を書くというのは迷惑な話である。裁判所に対しては、読む気をなくさせる厚い準備書面は決して有効ではない。 ●簡にして要を得たものがよいに決まっている。簡単すぎるのも困るが、分量が多すぎるものは、読む気をなくさせる。 ●反対。分量は、少ないほど良い。中身を濃く、簡潔にして、書証を括弧書きにして主張してほしい。 ●分量が多いのは本当に困る。最近、大事務所を中心に、長大な準備書面が多いが、繰り返し、誇張に充ちた文面を読むと、説得力を通り越して、疲労するだけである。 ●長大な準備書面は裁判所の読む気を殺ぐし、読み方も散漫にならざるを得ない。多くの場合、準備書面は10ページ以内にまとめられると思われる。20ページを超える準備書面で、良くできた準備書面であると感じることはないといっても過言ではない。裁判所に自分の主張を充分に理解させようとするならば、分量が多いことはマイナスである。 ●反対。通常事件ではどんなに長くても10頁以内に収めてほしい。 ●必要な主張は10枚以下で足りるはずであり、それ以上の書面で読むに値するものであることはほとんどない。 ●読む方の身にもなってほしい。 ●論外。当事者がそのような誤解をするのであれば、その誤解を解いてこそ専門家といえるのではないか。 ●冗長なのは逆に弁護士の能力を疑う(依頼者を制御できない、文章作成能力がないなど)。 ●分量が多ければ多いほど、読む方には疲れがくるということを認識していただいた方がいいと思います。営業政策上、分量を増やさざるを得ないのであれば、主張の要約を冒頭に掲げるとか、本当に読んで欲しい部分はここだという点を何らかの形で示すなどした方が、裁判官が書面を正しく読み、理解する可能性が高いと思います。 ●その場合は、適当な位置に要約を記載されたい。 ●これが一番困ります。期日の直前に何人もの弁護士から分厚い準備書面が提出されると読み切れません。準備書面の枚数は少なくというのが切なる願いです。書くべきことがあって多くなるのはかまいませんが、構成不足で膨らむのは印象が良くありません。まして、繰り返しが多いのは最悪です。 ●理解はしますが、読み手のサイドからは不評ですね。仮に、分量が必要であれば、構成を良く考えて、項目をキチッと立て、要約を加えながらするなどの工夫をしないと、嫌われます。 以上:1,601文字
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