平成22年 6月15日(火):初稿 |
○日弁連業革会法律事務所経営PTで第二東京弁護士会の会報NIBEN Frontier2005年5~7月号の特集「弁護士の引退を考える」の記事を入手しました。全会員を対象に実施して、得られた回答数は166通で回答者平均年齢は55.6歳、平均修習期は30.1期、平均弁護士経験23年とのことで、やはり引退を10数年後に控えた方の回答が多かったようです。以下、私の備忘録です。 ○アンケート結果に表れた引退についての平均的イメージの概要は次の通りです。 ①70歳まで働くことを理想とし、現実問題として70歳で引退することを予定している。 ②引退した場合の生活手段は預貯金と不動産収益が主で、趣味中心の生活やボランティア活動を中心とする。 ③引退後には楽しみと不安が相半ばし、不安の主な理由は健康と生活資金である。 ④高齢の会員には59~60歳位で仕事の内容を変えた人が多く、中には事務所の体制を変えた人も相当数ある。 ⑤充実した隠退生活のためには趣味、友人、家族関係、財産が大切である。 ⑥引退せずに現役として働き続ける場合には周囲の弁護士の理解と依頼者の理解が必要とされる。 ○アンケート個別質問事項と回答 Q3一般に弁護士は何歳まで弁護士として働くのが理想でしょう。 平均69.3歳、但し4割は働ける限り何歳までもと回答 Q4ご自身の予定では何歳まで弁護士として働かれますか。 平均69.3歳、但し決めてないが3.4割、働ける限り何歳までもが2割 Q5引退時期を決めた方への質問 (1)引退後の主な活動予定 趣味中心の生活66,ボランティア活動32,他の仕事15,何もしない3 (2)引退後の生活資金 預貯金82,不動産賃貸収入25,株式配当5,もとの事務所からの支払7、あてがない22、 (3)引退後の生活についての現在の考え 楽しみ49,楽しみと不安49,不安9、 (4)不安のある方はその理由 健康不安36、生活資金不安34,社会の動きが不安10、家族関係が不安6 ○弁護士は定年のない商売ですが、生涯現役を希望する人の割合が4割に過ぎなかったのが意外な結果であったが、実際には引退したくても引退できず、ずるずる働き続ける人が多そうだというのも編集者の実感とのことです。引退したくても引退できない理由はおそらく生活資金と思いますが、平均的弁護士が60歳で引退するためのライフプランも紹介されていました。 ○それによると、 28歳司法試験合格、30歳弁護士登録(初任給650万円/年、個人事件と合わせて年収800万円程度)、 35歳独立(粗収入年1500~2000万円、所得800~1000万円) 40歳自宅マンション購入(粗収入年4000万円、所得2000万円)、42歳勤務弁護士採用(この時期までに貯蓄額3000万円)、 50歳第一子大学入学(粗収入7000万円、所得3500万円、貯蓄額5000~1億円) 60歳引退(趣味、ボランティア、65歳年金支給、60歳貯蓄額6000~1億2000万円) とのことです。 ○この平均的弁護士ライフサイクルは、収入面では「やや上位」とのことです。しかし、平均でこれだけの数字ですから、二弁の弁護士さん方は、何とお金持ちなのかと感歎してしまいました。こんなデータを公表したら、益々弁護士が叩かれるのではと懸念した次第です。と言いながらHPに転載するもお前も余計なことをするなと言われそうですが(^^;)。 以上:1,388文字
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