平成21年 6月 3日(水):初稿 |
○平成21年6月2日から視察が開始しました。視察開始1日目は、午前7時50分集合で、フランクフルトの法律事務所1カ所、ケルンの法律事務所と大学研究室の2カ所、デュッセルドルフの法律事務所1カ所の合計4カ所をチャーターバスで回り、ホテルに帰ったのが翌日3日午前0時30分と言う強行軍でした。 ○流石に疲れましたが、私にとっては大枚をはたいて参加した元の取れる十分な成果がありました。一番の成果は最初に訪れたフランクフルトの法律事務所です。韓国系の方が所長をしている事務所で、フランクフルト最初のオンライン事務所とのことでした。所長さんは学生時代からプログラミングの勉強をしており、自分で基礎的な設計をしてネットでの情報提供顧客サービスを始めたとのことです。 ○提供する情報は、契約書式で様々な分野の契約書式をドイツ語だけでなく、英語、スペイン語、イタリア語、オランダ語等多数の言語で提供しているとのことで、法律改正に合わせて頻繁に内容をアップデートしているとのことです。更に驚いたのはネット上自動法律相談システムでした。ネット上で安い料金で相談者に事件の種類毎に弁護士側が相談者に対し、イエスかノーかで答える形式での質問を繰り返し、その結果に応じて必要な回答を自動的に提供するとのことです。 ○このネット相談の回答はあくまで一般論での回答で、具体的に詳細な事案検討と回答はしておらず、必要に応じて法律事務所への来所を促し、或いはその問題に適切な公的相談機関の紹介程度で、いわば相談についての交通整理の役割を果たすものです。この需要は結構大きく廉価で提供することで相当の利用がなされているとのことでした。このような法律相談は、日本においては各種の公的機関が行う無料法律相談所が担っています。しかしドイツではこのような無料法律相談はないので、需要は大きいそうです。 ○同様に廉価な電話での相談も実施しており、何と月に1万件の相談があるとのことで、相当数の電話相談員を抱えていました。この所長さん、大変、顧客満足サービス提供に意欲的な方で、自分で色々工夫して実際実現しており、このようなサービス提供は、弁護士がエリートでなければならないとの観念がある国では不可能であろうとの言葉が最も印象に残りました。 ○他に2カ所の法律事務所と大学研究所を回りましたが、兎に角、サービス提供が旺盛だとの印象を強く受けました。後日、まとめて報告したいと思っておりますが、私自身の今後の顧客サービス強化を検討するに当たっては大変参考になりました。 ○ 以上:1,049文字
|