平成20年 4月 1日(火):初稿 |
○経営コンサルタントが書いた日本で初めての弁護士のためのマーケティング・マニュアル「弁護士のためのマーケティングマニュアル」をさっと読んでみました。同書前書きによると、マーケティングとは、「売り込みをしなくても、売れる状態」を創り出すための技術と言うことです。著者は船井総合研究所出口恭平氏で、平成17年金沢市で開催した第14回弁護士業務改革シンポジウムのパネリストも務めたそうです。 ○このマーケティングの意味について単なる市場調査と宣伝・広告くらいかと思っていましたが、Wikipediaによると「マーケティング(marketing)とは、平たく言えば、企業などが行う活動のうち『顧客が真に求める商品・サービスを作り、届ける活動』全体を表す概念である。」とあり、はてなダイアリーによると「売るための仕組みづくり。一般にマーケティングと言うと、『広告』の事と思ってる人が多いが、それは誤解。製品、流通、価格、販促・広告、これら全ての要素をいかに組み合わせるかが『マーケティング』である。」とのことです。 ○この「売り込みをしなくても、売れる状態」を創り出すための技術と言う解説がマーケティングの意味として一番判りやすくしっくり来ました。この技術は、弁護士になった以上、各自それなりの努力をしているものと思われますが、これまでの弁護士業務での、「独占・寡占・競争排除」の3大特権時代はさほど意識しなくても商売として成立してきました。しかしこの三大特権が殆どなくなった今後は弁護士もこのマーケティングについて強く意識していかないと商売が成り立たないと覚悟しています。 ○この「弁護士のためのマーケティングマニュアル」、法曹界の実情に即した実践的ノウハウが満載されていますが、その中で私が最も感動したのが、「Ⅶ依頼者満足度を高めるポイント」60「書面化して、認識を共有する」するとの記述でした。私自身も弁護士業務合理化という点では相当進んでいる方だと自惚れていますが、このような「書面化して、認識を共有する」までは実践していなかったからです。 ○私が凄いと感動したのは、 「私の知っている先生で、初回相談の時から、①相談内容、②問題点、③解決方法、④留意事項をその場でタイプして、帰りがけにはプリントアウトして依頼者に渡す、と言う先生がおられます。 正確さを期すのに大変な気がしますが、その先生曰く、『慣れれば、どうということはない』、『弁護士の中には、揚げ足を取られるの嫌で、書面にしたくないという人もいますけど、そういう人は二流、三流ですね』とのことです。」 との記述です。 この記述に触れただけで、この「弁護士のためのマーケティングマニュアル」の代金2625円を遙かに超える元は取れました(^^)。 以上:1,139文字
|