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司法試験合格者数について考える-法務省内に検討組織

平成20年 1月26日(土):初稿
○後記平成20年1月25日産経新聞ニュースによると鳩山法相の指示により司法試験合格者数3000人計画の見直し検討組織が出来るようです。3000人を前提に濫立の状況となっている法科大学院関係者にとっては、「今更、そんな殺生な」と言う心境かも知れません。

○見直しの結果、3000人を減らすのか、維持するのかは現時点では不明ですが、各界の利害が対立する難しい問題と思われます。先ず肝心の受験生にとっては、これまでの司法試験の合格率が、僅か数パーセントと言う超難関であったものが、法科大学院に入れば7~8割程度合格するとの触れ込みを信じて高い費用を支払い無理して入ったのに実際は、1年目で5割、2年目以降4割、その後は徐々に2割程度まで下がろ試算されているところに、さらに合格者数を減らされ、合格率が下がるとなれば、騙されたとの心境でしょう。

「法曹資格の門戸を広く開放することの是非」等で繰り返し記載していますが、私は「(法曹への)入口は出来るだけ広くして法曹の志を持つ人は可能な限り広く入れるようにし、その代わり入った後も大きな努力をしなければ簡単には食べられない制度にした方がよいのではないか」と言うのが基本的考えです。

○しかし現実には簡単に入ることが出来るも、入った後も簡単には食べられないと、弁護士の「質的低下を招き」、不祥事を起こす割合も増えるのが当然です。結局は、この「門戸開放」と「質の維持」のバランスを取った人数になりますが、このバランスを考えるに当たって重要な要素は、需要です。

○この需要については、実務に就いていると、世間で言われている程の弁護士需要があるのだろうかと言うのが正直な実感です。しかしこれは商売繁盛の弁護士は需要を実感し、繁盛していない弁護士は実感しないのが普通で相当主観に左右され当てになりません。裁判事件等に限った統計数字上は需要は余り増えていないことは間違いありませんが。

司法試験合格者数について省内に検討組織 3月に法務省
2008.1.25 11:21
 司法試験の年間合格者数を3000人程度に増やす政府目標について、鳩山邦夫法相は25日の閣議後会見で、3月に省内に組織を設け、見直しを検討する方針を明らかにした。

 司法試験の合格者数は、司法制度改革審議会の報告を基に、政府が平成14年に3000人計画を閣議決定。これまで500人程度だった合格者数が18年に1558人、19年は2099人にまで増加した。

 しかし、合格者の急増によって法律家の質の低下や弁護士の就職難など、さまざまな問題が指摘されるようになり、一部の弁護士会が合格者数の抑制を要望。鳩山法相も以前から、「質的低下を招く恐れもある」として、3000人は多すぎるとの見解を示していた。

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