平成17年 9月15日(木):初稿 |
○今回の衆議院総選挙は、小泉劇場と評され、自民党が予想外の大勝利の結果に終わり、彼方此方でその原因等について分析評論がなされています。小泉総理の解散会見をTVで観て、これは凄い、自民党が相当勝つと直感しましたが、これほどの大勝利になるとは予想できませんでした。しかしこの大勝利は自民党の勝利ではなく、小泉氏の勝利としか思えません。 ○小泉自民党が歴史的な大勝利になり、およそ当選にはおぼつかないと思われていた各地の自民党候補者が当選できた最大の功労者は亀井静香議員であり、小泉総理は今回の強力自民党創成の功労者として亀井静香氏に感謝すべきと思っております。 ○亀井氏は、小泉氏のライフワークである郵政民営化に対し全面的に対立してその阻止を繰り返し公言し、更に小泉総理に解散など出来るわけがないと、同志議員に強力に働きかけて、衆議院議員33名(+18名棄権)、参議院議員22名(+8名棄権)の自民党議員を郵政民営化法案反対に回し、衆議院では5票差で辛うじて可決するも参議院では18票差で否決されました。 ○勿論、全て一国一城の主である各議員が亀井氏の働きかけで反対・棄権に回ったのではなく各自の信念の行動でしょうが、その過激な言動で反対派の実質中心的役割を演じたのが亀井氏でした。経歴・年齢等から反対派のトップは形式的に綿貫氏となっていましたが、何と言っても実質的反対派トップは亀井氏と国民の目には映りました。 ○その風貌、過激な挑戦的・挑発的語り口等からは亀井氏は小泉氏にとって格好の小泉劇場での敵役となりました。衆議院採決前から「解散なんかできっこない」、参議院採決前には「500%否決だ」とTVインタビューでふてぶてしく小泉氏に挑戦的発言を繰り返し、小泉劇場での憎まれ役を演じ続けました。 ○更にもう一人重要な小泉劇場立役者には、参議院否決直前に小泉氏と差しで対談し、解散断行を思い留めさせようとした森氏がいます。「(郵政民営化)のためなら俺は殺されてもよい」と言う言葉を引き出し、マスコミに発表して大々的に報道させて解散前小泉劇場の最良のお膳立てをしてくれました。 ○これは小泉・森両氏の出来レースという説もあり、これまでの小泉氏のしたたかさからするとホントかなと言う気もしないではありませんが、これを出来レースでやったら2人とも最高の役者であり脚本家です。 ○この最高のお膳立てが整った後予定通り参議院で否決され小泉氏は内心ニンマリしたのではないかと思っています。小泉氏は否決直後の解散会見を役者として最高の出来で演じ切りここから国民の拍手喝采が始まりました。結果は、小泉自民党の歴史的大勝利でしたが、この結果は、何と言っても主演小泉氏の最高の敵役亀井静香氏の存在があったからです。 ○すっかり霞んで大惨敗を喫した岡田民主党代表は政調会長時代、「亀井静香氏には死刑適用が必要」と述べたことがあるそうです。当時の発言理由は不明ですが、今こそ民主党にとってピッタリの心境かもしれません。 以上:1,228文字
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