平成17年 4月19日(火):初稿 平成17年 5月15日(日):更新 |
○昨日は弁護士業務改革シンポジウム運営委員会があり、参加者6名の弁護士と渉外事務所に勤務するニューヨーク州弁護士資格を持ちニューヨークでの弁護士経験のある方の7名でサンフランシスコ弁護士事情視察総括座談会を開催しました。 ○団長のO弁護士が司会進行を担当され一人一人が感想を述べました。 全員のほぼ共通の感想は、アメリカの弁護士は活力があると言う事でした。 ○サンフランシスコで活躍している日本人弁護士2名から紹介されその通訳をして頂きながら訪問した事務所はサンフランシスコでもトップクラスの事務所だったからかも知れませんが、その活力の源泉は、司法制度の成り立ちの根本的違いにあるとの感想もほぼ共通のものでした。 ○その根本的違いとは、司法運営を担う者が、日本の場合は明治以来確立された官僚組織としての裁判所(お上、おかみ)であるところ、アメリカの場合は民(たみ)が選んだ民の代表たる裁判官が裁判手続を運営し、更に最終的には民の代表(陪審員)が裁いていると言うことです。 ○具体的に言えばアメリカでは10年以上の弁護士経験を経た者が選挙で裁判官に採用されます。そして6年間の任期後、再任するかどうかを決めるのも選挙であり、民が選びます。これに対し日本は裁判官の採用も再任も司法官僚組織トップの最高裁判所が決めます。 ○従って裁判官に任命された者の目は、日本の場合は常に最高裁判所に向けられるところ、アメリカの場合は、民-選挙民に向けられることになります。 そのため裁判内容が民-選挙民-によく判るように裁判公開の原則が徹底して図られています。 ○その具体例は、アメリカでは裁判内容がビデオで録画され、それがwebサイトに掲載され、全世界の誰もが見ることが出来るようになっていることです。 これは昨日座談会に参加したニューヨーク州弁護士としても活躍されたK弁護士から教えられましたが、傍聴席での録音やメモすら禁じられている日本の法廷とは大違いです。 ○例えばフロリダ州最高裁判所でのJanuary 10, 2005の裁判模様ビデオ(Real Video 版)が、日本でも見ることが出来ます。43分間に渡っての裁判官、弁護士による弁論風景です。女性の裁判長に女性弁護士が応酬していることが印象的ですが、ただただ驚きです。 (この話明日に続けます) 以上:952文字
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