昭和60年 1月 1日(火):初稿 平成17年 1月 8日(土):更新 |
事業者債務整理相談事件について弁護士から適切なアドヴァイスを受けるために、相談に来られた方は次の事を守られるようにお願いします。 一 はじめに 債務整理事件の処理方法は何通りかあります。 いずれの方法をとるかを決定するために何よりも貴殿(貴社)財務内容を正確に把握することが肝要です。 そこで次の書類を準備して下さい。 □事業者債務整理相談調査表(当事務所の書式に記入して下さい) □債権者一覧表(当事務所の書式に記入して下さい) □債務者一覧表(当事務所の書式に記入して下さい。貴社(貴殿)が債権者として有する売掛金・貸金等の債務者の一覧表です) □過去3年間の税務申告書及び添付決算書類 □貴社の資格証明書(法人の場合の商業登記簿謄本、管轄の法務局で取れます □直近の決算書 □固定資産課税台帳の写し(市役所税務課固定資産評価係でとれます) 貴社(貴殿)所有の全部の不動産登記簿謄本(管轄の法務局でとれます) □貴社(貴殿)所有の全部の不動産登記済権利証 □貴社(貴殿)の債務のために抵当に入っている第三者(物上保証人)所有の不動産登記簿謄本 □直近の在庫品棚卸表 □保有車両の車検証の写し □生命保険・火災保険証書(受取人が事業主となっているもの) □手形資金繰表 □労働債務明細表(特に退職金債務について) 二 方針についての希望 次に貴殿(貴社)の希望が重要です。 1 事業の再建を希望するか清算を希望するか明らかにして下さい。特に再建を希望する場合、そのビジョンを具体的に書面に記載して準備して下さい。 2 弁護士の目から見れば、再建を希望する場合でも弁護士に相談にくる事案は、いったん清算の形をとった上で、全く別の事業主体として再出発した方がよい場合がほとんどです。 3 手形不渡等倒産の事態を極度におそれる経営者の方が多いのですが、弁護士に相談に来た以上は状況判断が冷静にできるよう努力して下さい。 三 債務整理の要点 1 手形不渡等で突然倒産の事態になると混乱しますが、事前に適切な準備をしておけば、平穏に切り抜ける事が十分に可能です。 2 弁護士が介入した場合、比較的平穏に債務整理ができるのは、弁護士の介入により債権者に公平な整理をしてくれるだろうという信頼感が生まれるからです。 ですから債務整理に介入した弁護士は、この信頼を保持すべき義務があります。 3 倒産時においては不公平な支払や財産処分、例えば ①特定の債権者、特に親戚知人等が保証している債権者に優先的な支払ができないか、あるいは ②特定の財産について特定の企業に優先的に譲渡できないか、 などという相談をよく受けます。 しかし、債務整理において最も重要なことは公平な整理を行なうことが大原則であり、それが他の債権者との間の公平を害しない特別な事情がないかぎり、この様なことは認められません。 4 債権者に信頼される公平な債務整理を実現するため弁護士に依頼する場合は、財務状況について全てをつつみ隠さず明らかにして下さい。 債権者は、例え配当がなくとも公平な債務整理が行われたという実感を得れば、納得するものです。 事業者債務整理事件処理の概要 相談 財務状況の事情聴取 書式1 着手金支払 受任決定 以上:1,330文字
|