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個人再生の基礎の基礎-個人再生手続が必要な場合

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平成18年 4月15日(土):初稿
○当事務所では、2年前までは個人再生事件は取り扱っておりませんでした。債務整理は先ず任意整理を試み、それがダメなら破産した方が良いと思っていたからです。また個人再生申立は手続きが大変複雑・煩瑣でコスト的に業務が成り立たないと思っていたからです。

○そこで個人再生の相談があった場合、2年ほど前までは他の弁護士に紹介していたのですが、2年ほど前から相談が増え、当事務所でも取り組むことになり、現在は相当件数扱っております。そこで私の知識整理・備忘録として個人再生手続概観を復習します。

○債務整理の究極は自己破産手続ですが、これだと原則として自己の財産を全て処分して債権者への弁済に充てなければならず、住宅ローン付き住宅もたとえ時価が1500万円程度に2000万円の住宅ローンがついて剰余価値が全くなくても自己所有物として維持できませんでした。

○なかには住宅だけは維持したいと言う方も多く、当事務所ではその場合、時価1500万円の住宅を対価として2000万円の住宅ローン債務引受として所有名義を、妻とか兄弟姉妹等に譲渡する方法を取っていました。これは2000万円の住宅ローンを支払う能力のある方に限ります。

○夫Aが2000万円の住宅ローンの他に1000万円ものサラ金・クレジット債務を抱えて住宅ローンの支払が到底不可能な状態になっている場合、妻も仕事を持ってある程度の収入がある場合、妻が夫の2000万円の住宅ローン債務引受を対価として夫から時価1500万円の住宅を買い受けることが良くありました。妻だけでは収入が不足の場合、夫の父或いは収入のある子供達と共同で買い受ける場合もあります。

○このように住宅ローン債務を引受けて住宅を買って貰える人が周りに居ない場合は破産手続を取り競売になった住宅は最低競売価格が通常時価1500万円のものが800万円程度まで下がりますので競売で親戚にでも買って貰って買い戻しをする方が2000万円の住宅ローンを無理して維持するより楽ですと説明する場合もあります。

○しかし競売だと確実に住宅を競落出来る保障はなく不安であり、更に競売だとたとえ800万円でも一括で支払うお金を準備する必要がありそれは困難という方がおります。このように住宅ローン債務引受も競売での買い受けも無理という方には、住宅を維持する最後の方法としては個人再生手続をとるしかありませんと説明し、個人再生手続をお薦めしています。
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