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事業倒産任意整理での先取特権商品返還

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平成17年 9月19日(月):初稿
○事業倒産任意整理の話を続けます。
動産売買先取特権を重視するのが任意整理選択の理由の一つと説明しました。動産売買先取特権の厳密な意味では代金未払在庫品の引取請求権はありませんが、実務では倒産した企業に代金未払の在庫品が残っているときはその債権者が代金未払分在庫品を引き取っても他の債権者が文句を言わない慣行があるようです。

動産売買先取特権の厳密な意味は、代金未払在庫品を差押えて競売にかけ、その競売代金を優先的に受領する権利で、しかも差押実行には競売担当の執行官に①代金未払在庫品又は②債務者の差押承諾文書の提出又は③動産売買先取特権の存在を証明する文書を提出しての裁判所の許可が必要です。

○実務ではこの①、②、③の実行は何れも大変難しく動産売買先取特権に基づく競売申立の実例は極めて少ないのが実情です。動産売買先取特権に基づく差押・競売がなされる場合、競売の買受人は殆どの場合、その債権者になり、代金は債権との相殺扱いになります。結論としては、債権者は執行官を通じて代金未払在庫品の返還を受けることになります。

○代金未払在庫品にはその債権者の権利があるとの認識は倒産時の債権者に強く認識されており、債権者が代金未受領自社販売商品を引き取ることに文句を言う他の債権者は先ず無く、逆に代金未受領自社販売商品を他の債権者に持ち去られるとまるで泥棒にでもあった感覚で悔しがります。

○そこで私は債権者のこの自社販売商品についての感覚を重視して任意整理においては動産売買先取特権付き商品を任意に債権者に返還する作業から始めます。この作業で重要なことは先取特権対象でない他の債権者の商品を引き上げられないように注意することです。

○そこで事前に出来る限り在庫品を債権者毎に区分け作業をして引取が円滑に行くよう工夫します。現実には、債権者は自社販売商品をシッカリ認識しており誤って他の債権者の販売商品を引き上げられたと言う例はありません。

○問題は代金支払済み分と未払分商品の区別です。ここは難しそうに見えますが、売却した債権者の方が良く認識しており、引取伝票(買い戻しの赤伝)を切って引き上げます。又継続販売契約において所有権留保特約が付けられていることも多く、この場合はその債権者の販売商品は一旦全品返還し、後に清算します。
このように任意整理においては返還すべき在庫品は返還して債権者との軋轢を出来るだけ回避します。(この話題後日に続けます。)

以上:1,009文字

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