令和 1年 9月22日(日):初稿 |
○「難聴者のためのバリアフリー雑感-難聴は中途半端な障害のため大変」の続きです。「相手は言葉が伝わっていると確信していますが、実際は伝わっていないことが理解されないのが一番の苦痛でした。」と記載しましたが、これを克服する方法は、難聴者であることを宣言することに尽き、今は、お客様の前でも、裁判所でも「耳が遠いものですから」、「補聴器をつけてますので」と盛んに宣言しています。 ○それでも世の中ではなかなか難聴者に対する配慮までされていないと感じることが良くあります。現在も腹が立つものとして、先ずワイヤレスヘッドホンとしてのブルートゥースヘッドホンがあります。20年以上前に赤外線補聴ワイヤレスヘッドホンを購入しましたが、こちらは音量が結構上がり、私のような難聴者でも使用可能で重宝しました。 ○しかし、ここ数年は赤外線補聴ワイヤレスヘッドホン発売が打ち切られたのか、ワイヤレスヘッドホンの殆どがブルートゥースタイプになり、数年前から3個程購入しました。ところが、いずれも難聴者の存在を前提としない製品でボリュームを最高に上げても良く聞き取れず実用出来ませんでした。メーカーには、高度難聴者も使用することを考慮してボリュームを可能な限り大きくできるようにして貰いたいところです。 ○次に腹が立ったのは、ホテルの部屋に設置してあるTVです。多くのホテルのTVは、隣室の迷惑にならないようするためか音量制限がなされ最大音量まで上げることが出来なくなっています。高度難聴になると補聴器無しでTVの生の音を聞くことはできません。聞き取れるまで音量を上げると音が大きすぎて周りに大迷惑になるからです。そこでイヤホン使用が常態になります。しかし、音量制限がなされて最大音量に上げてもイヤホンで十分聞き取ることができないことが良くあります。このことをホテルに伝えて音量制限を解除して貰ったこともあります。 ○高度難聴者になるとTV音はイヤホンと日本語字幕が必須です。ところがホテルのTVリモコンには簡易版にして字幕ボタンがないものもあります。難聴者には日本語字幕が必須であることも理解されていません。邦画のDVDやBDにも全て日本語字幕をつけて貰いたいのですが、現時点では半分もついていないと思われ、私は日本語字幕がついていない限り購入しません。 ○同様に映画館での邦画にも、高度難聴者にとっては日本語字幕が必須ですが、殆ど日本語字幕がつく映画はありません。「情報バリアフリーのための情報提供サイト」の「2. 邦画やDVDと日本語字幕の状況は?」というページに邦画に字幕がつかない理由等の説明がありますが、聴覚障害者への理解が進んでいないことが良く判ります。 ○映画に関して最も腹が立つのが航空機の座席ディスプレイにある映画です。邦画は勿論のこと、洋画でも日本語字幕付が殆どありません。邦画は日本語であり、洋画は日本語吹替版になっているため字幕は必要がないとしているのでしょう。日本人でも日本語が聞き取れない聴覚障害者の存在が全く無視されています。「邦画にも日本語字幕を、という切実な願い」は航空会社に届けたいものです。 以上:1,290文字
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