平成25年 6月 4日(火):初稿 |
○「”50歳からは炭水化物をやめなさい”を読んで」を続けます。 「50歳からは炭水化物をやめなさい」の著者藤田紘一郎医師は、過去に二度重度の糖尿病を患った経験があり、一度目の糖尿病発症後、糖尿病専門医による徹底的な食事療法を継続するも8年後に二度目の糖尿病発症の事態となりました。日本糖尿病学会が推奨する食事療法は、エネルギーの約6割を糖質から摂取するという高糖質低カロリー食ですが、この食事療法では藤田医師の高血糖が思うように改善されなかったそうです。 ○藤田医師は、二度目の糖尿病発症直前まで、高糖質低カロリー食を実践し、ステーキなどの脂質の摂取は極力控え、摂取カロリーの約6割は白米・麺類等の糖質から摂っていたそうですが、それでも糖尿病が再発したため、日本糖尿病学会推薦高糖質低カロリー食に疑問を感じて、自分の身体を材料に研究を始め、辿り着いたのが「50歳前後に、人の身体はメインとなるエネルギー生成系が切り替わるため、エネルギー摂取方法を変えなければならない」と言う答えだったそうです。 ○この「50歳からは炭水化物をやめなさい」の第一刷発行は平成24年9月ですが、その2ヶ月前の平成24年7月27日読売新聞に以下の記事が掲載されています。 「炭水化物 極端な制限危険」 日本糖尿病学会 ダイエット目的に警鐘 (2012年7月27日 読売新聞) 主食を控える「糖質制限食(低炭水化物食)」について、日本糖尿病学会は26日、「極端な糖質制限は健康被害をもたらす危険がある」と警告した。糖質制限食は糖尿病の治療やダイエット目的で国内でも急速に広まっている食事療法だが、専門医の団体が見解を示すのは初めて。 同学会の門脇孝理事長(東大病院長)は読売新聞の取材に対し、「炭水化物を総摂取カロリーの40%未満に抑える極端な糖質制限は、脂質やたんぱく質の過剰摂取につながることが多い。短期的にはケトン血症や脂質異常症の、長期的には腎症、心筋梗塞や脳卒中、発がんなどの危険性を高める恐れがある」と指摘。「現在一部で広まっている形での糖質制限は、糖尿病や合併症の重症度によっては生命の危険さえあり、勧められない」と注意した。 一方、同学会では糖尿病の食事療法として、炭水化物を総摂取カロリーの50~60%にするカロリー制限食を勧めているが、この割合を45%程度まで減らせるかどうか検討を始める. 門脇理事長は「ごく穏やかな糖質制限なら、総カロリーの減少効果が期待でき健康被害も心配ない。来年の治療指針改定で反映させ,極端な糖質制限の歯止めにしたい」と話している。 ○「50歳からは炭水化物をやめなさい」36頁は「『白米』『パン』『うどん』は50代以降には御法度!」との刺激的な見出しで、日本糖尿病学会推薦高糖質低カロリー食は、人が活動するエネルギーを確保するために糖質もキチンと摂るべきと指導するが、これは「若者と中高年では、メインとなるエネルギー生成系が既に違っている」と言う大前提が抜け落ち、若者の体も中高年の体も一律に捉える間違いを犯していると断定している如くです。 ○とうの昔に若者ではなくなった私は、藤田医師説に従って、「『白米』『パン』『うどん』は50代以降には御法度!」を実践すべきかどうか、迷っているところです。私の場合、藤田医師と違って糖尿病経験はなく、その目的は、体脂肪を10%まで程度に下げて、ウッスラではない凸凹の6パックに割れた腹筋を作りたいというおバカなもので、体脂肪を10%程度に下げることは、果たして健康にいいんだろうかという根本的疑問もあるからです(^^;)。 以上:1,483文字
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