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これは使えると思った判例紹介序文-結局は回収可能性

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平成24年 2月 1日(水):初稿
○弁護士業務の多くの割合を占める仕事に債権回収があります。例えば交通事故事件も、主に人身損害損害という損害金の債権回収であり、対人間、対企業間等の紛争の大部分が,詰まるところ金銭問題に帰着して、最終的な解決方法としては、一定の額の、お金で解決することが大部分です。当事務所で多く取り扱っている交通事故事件に限らず、男女問題、相続・家族問題、売買・賃貸借等弁護士の仕事の殆どは,最終的にはお金を支払え、いや、支払わないとの争いに帰着すると言っても良いでしょう。

○相手が求めるお金を支払わない場合、弁護士の業務は、お金の支払を求める訴えを裁判所に提起して、裁判官から支払を命ずる判決を書いて貰うことです。この判決を得れば、相手が支払わない場合、その財産に強制執行をかけて無理矢理お金を回収します。このように書くと、弁護士とは何と因果な仕事だとも思われますが、世の中の沙汰は詰まるところ全て金次第という面もあり、その意味では大変重要な仕事でもあります(^^;)。

○裁判所に訴えを出して、例えば100万円を支払えとの判決を書いて貰えば、これで100万円の債権回収実現は間違いなく実現出来るかと言うと、そうではありません。残念ながら、100万円支払えとの判決を得ても、相手に財産が無いと、それがさんざん苦労の末得た判決でも、ただの紙切れに過ぎなくなります。実は、いくら判決を貰っても回収できない事例が、世の中には山のようにあります。32年も弁護士生活をしていると、折角、得た判決も結局何にもならなかったと言う事例を多く経験します。

○債権回収できるかどうかの,最終の鍵は、相手に強制執行かけることが可能な財産があるかどうかに尽きます。例えば相手に対し1億円の債権があり、裁判所に訴えれば、1億円支払いを命じる判決を得ることが明白な事案であっても、相手に支払能力がなければ、その判決を得ても債権回収の面では何にもなりません。強制執行をかけて、執行不能であったというお墨付きを得て、会計処理上損金処理が出来るとのメリットくらいしかありません。

○そこで弁護士が債権回収の法律相談を受ける場合、その最終的回収可能性判断が一番重要になります。勿論、訴えを出して支払を命じる判決を得ることが出来るかどうかの判断も重要ですが、それ以上に重要なことは相手の支払能力です。しかし、この支払能力の判断は、相談者自身ではなく、相手方のことですから、直接事情を聞くことも出来ず、相談者からの情報だけですから、断定的判断は相当難しくも感じられます。

○しかし、弁護士経験数年程度ではなかなか判断が難しいですが、弁護士を30年もやっていると、そのような紛争に至った経緯等を詳しく聞いている内に相手の支払能力が相当程度判断出来るようになります。話しを聞いている内に相手の状況も見えるようになってきて、これは判決を取られても万全の体制で、強制執行が出来ないようしている相手かどうかも見えてくるようになるからです。

○ですから、その債権回収の依頼を受ける場合、その回収可能性の程度をよく説明して、この事案では、たとえ判決を得てもその後の回収可能性が殆ど無いので、弁護士費用が無駄に終わる可能性も高いが、それを承知の上であれば、仕事として受けても宜しいですが,如何しましょうかと、事実上、止めた方が良いですとのアドバイスになることもよくあります。最終的な回収可能性をよく説明しないで、お客様に回収について過度の期待を抱かせて,事件を受けても結局回収できずお客様の期待を裏切り、弁護士費用等の紛議になることもよくあるからです。
表記「これは使えると思った判例紹介」をしようとしたら、前置きが長くなり過ぎました。肝腎の判例紹介は後日になります(^^;)。
以上:1,541文字

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