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不貞慰謝料150万円と探偵費用15万円の支払を認めた地裁判決紹介

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令和 7年11月25日(火):初稿
〇被告は原告の配偶者であるCと不貞関係を持った等主張する原告が、被告に対し、不法行為に基づき慰謝料300万円・探偵費用約123万円・弁護士費用30万円の合計約453万円の損害賠償等の支払を求めました。

○これに対し、令和2年11月以降おそらく現在まで続く不貞行為により婚姻関係は破綻し離婚調停に至ったことから慰謝料150万円と探偵費用15万円・弁護士費用15万円の合計180万円の支払を認めた令和6年1月11日東京地裁判決(LEX/DB)全文を紹介します。

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主   文
1 被告は、原告に対し、180万円及びこれに対する令和5年7月29日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを5分し、その2を被告の負担とし、その余を原告の負担とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

 被告は、原告に対し、452万7853円及びこれに対する令和5年7月29日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。

第2 当事者の主張
1 原告の主張

(1)原告は、C(以下「C」という。)と平成22年6月12日に婚姻し、原告とCとの間には、平成24年○月に長女が、平成29年○○月に二女が出生した。

(2)被告は、Cに妻子があることを知りながら、遅くとも令和2年11月頃以降、Cと一緒にラブホテルに行くなどして交際を重ね、不貞関係を持った。仮に、Cが、被告に対し、自身に妻子はいないと発言していたとしても、Cの年齢、被告とCの会う曜日や時間に鑑みれば、かかる発言が虚偽であることは容易に推認でき、被告がかかる発言を誤信したとしても、重大な過失があることは明らかである。


(3)原告は、Cとの婚姻後16年以上にわたり、仕事をしながら家事育児の多くを担ってCを支え、家族4人での平穏な生活を築いてきたが、被告の不貞行為により原告とCとの婚姻関係は破綻し、原告は、令和3年8月に幼い子ども達を連れて別居し、Cとの間では、現在、離婚調停が係属している。これらにより原告が被った精神的苦痛は非常に大きく、その精神的損害を慰謝するに足りる金額は300万円を下らない。

 また、原告が、被告の氏名・住所を特定し、不貞の客観的証拠を確保するためには、探偵業者を使って、密会の様子を複数回確認する以外に方法がなかった。かかる被告の特定及び交際内容の確認に要した調査費用は、122万7853円であり、被告による不法行為と相当因果関係のある損害に当たる。
 さらに、本件訴訟の提起に要した弁護士費用のうち30万円は、被告による不法行為と相当因果関係のある損害に当たる。

(4)よって、原告は、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償請求として、452万7853円及びこれに対する訴状送達日の翌日から支払済みまで年3分の割合による遅延損害金の支払を求める。

2 被告の主張
 妻子がいることは一切知らなかった。本人からはいないと聞いていた。

第3 当裁判所の判断
1 証拠(甲1。以下、証拠番号については、特に明記しない限り、枝番号を含む。)によれば、第2の1(1)の事実が認められ、また、証拠(甲2ないし5)によれば、被告は、令和2年12月以降、Cと複数回にわたり肉体関係を持ったことが認められる。被告は、Cに妻子がいるとは知らなかった旨主張するものの、証拠(甲4)によれば、被告は、Cが会社員であることを認識した上で、多くの会社員が休日である土曜日及び日曜日をあえて避けて密会の日程調整をしていたことが認められるから、Cに妻子がいることを知っていたか、もしくは、少なくともこれを知らなかったことにつき過失があったと認められる。

 そして、本件で提出された全ての証拠に照らしても、被告との不貞関係が発覚するまでの間に、原告とCとの婚姻関係が破綻していたとは認められず、むしろ、被告との不貞行為により、原告とCとの婚姻関係は修復できない程度に破綻したと認められる。これに加え,原告とCとの婚姻期間や両者間に未成熟子がいることその他本件に顕れた一切の事情を考慮すると、被告の不貞行為により原告に生じた精神的苦痛に対する慰謝料は、150万円と認めるのが相当である。

また、被告とCは、LINE上で密会の日程調整等をしており(甲4)、そのアカウント及び両者間のやり取りから、被告の特定や不貞行為の有力な証拠・情報を得ることはできず、探偵の調査以外にこれらの収集のための合理的な手段方法がなかったと認められることからすれば、原告が支出した探偵費用(甲7、8)の全てにつき上記収集のため必要であるとはいえないにしても、上記事情に鑑みれば、15万円の限度で相当因果関係を有する損害に当たると認められる。

さらに、原告は本件訴訟の追行を弁護士に委任しているところ、その弁護士費用については、15万円の限度で被告の不法行為と相当因果関係を有する損害に当たると認められる。

2 以上によれば、原告の請求は、180万円及びこれに対する訴状送達日(令和5年7月28日。当裁判所に顕著な事実。)の翌日以降の民法所定の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから認容し、その余は理由がないから棄却した上で、主文のとおり判決する。 
東京地方裁判所民事第25部
裁判官 堀田喜公衣
以上:2,229文字

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