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”不倫への異常なバッシングは、日本の「ゆがんだ教育」が招いた”紹介2

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令和 2年10月20日(火):初稿
○「”不倫への異常なバッシングは、日本の「ゆがんだ教育」が招いた”紹介」を続けます。

○有名人の不倫を、関係のない第三者が大騒ぎしてバッシングする日本の風潮は、日本人が幼い頃から受けている、「自分勝手に振る舞うな」という洗脳に近い教育がベースにあるからとのノンフィクションライター窪田順生氏の説明記事を見て、少し納得していました。

○同氏の記事の後半を紹介します。「個人の自分勝手な行動」への強烈な憎悪が、日本で最近話題になる「不寛容社会」の根っこにあると窪田氏は結論づけていますが、この根っこは深く根付いており、日本では、学者が一致して説明する不貞行為第三者無責任説もなかなか社会に浸透しない理由が納得しました。正に「個人の自分勝手な行動」と評価されるからです。

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社会に余裕がなくなるとバッシングは加速する
不倫は、基本的には当事者間の問題であって、他人に迷惑がかかるような話ではない。当事者同士で解決すればいい話だし、外野がああだこうだと口を挟むような話ではない。だから、海外では第三者が狂ったようにバッシングをしない。

しかし、幼い頃から「自分勝手な行為をしてはいけない」と叩き込まれてきた日本人には、そういう理屈が通用しない。

私たちはこんなにも我慢をして生きているのに、本能の赴くままに不倫なんかする奴は許せない。絶対に許せない――。「個人の勝手な行動」への強烈な嫌悪感が、そのまま東出さんや唐田さんへの人格攻撃につながっているのだ。

そんなのはお前の妄想だと言う人もいるだろう。ただ、日本社会は見渡していただければ、「個人の勝手な行動」への強烈な嫌悪感が引き起こした憎しみで溢れているのは一目瞭然だ。

身勝手なあおり運転をした者は、“ネット探偵”が身元を特定して、顔も見たこともない人々から誹謗中傷の嵐にさらされる。国が渡航を控えるように呼びかけた地域に取材に出かけたジャーナリストが捕まると、「自業自得だ」「もう帰ってくるな」の大合唱となる。

この国では、「個人の勝手な行動」は万死に値する重罪なのだ。そして、このような傾向は社会がギスギスして余裕がなくなると、さらに強くなる。わかりやすいのが、東出不倫と時を同じくして話題になった、タレント・キンタロー。さんの「ぶつかり男」被害だ。

妊婦や乳幼児は「他人に迷惑をかけている」
臨月で身重のキンタローさんが街を歩いていると、彼女めがけて意図的にぶつかってくる男性が何人もいたというのだ。そんなひどい人間がこの世にいるのかと怒りに震える人も多いかもしれないが、実はこのような被害は、妊婦や乳幼児を育てている母親の間では「あるある」なのだ。

2017年1月、ベビーシッターマッチングサービスを運営する株式会社キッズラインが、子育て中の女性340人を対象に行った調査では、ベビーカー利用時に「嫌な思いをした」と回答したのは56.8%と半数以上。「邪魔者扱いされた」「舌打ちされた」くらいは当然のことで、中には「ベビーカーを蹴られた」という耳を疑うような被害も報告されている。

妊娠中に不倫した夫を「奥さんがかわいそう」とボコボコに叩く人がたくさんいる一方で、日本社会では妊娠中の女性や、子育てに苦労する母親を目の敵にして攻撃をする人もたくさんいるのだ。

なぜこういう矛盾に満ちた現象が起きるのかというと、妊婦や子連れの母親というのは、見方によっては「自分勝手な行動」をとっているように見えるからだ。

当たり前の話だが、妊婦や子連れの女性の方は周囲と同じように動くことができない。街中でベビーカーなどを押していれば、ほぼ間違いなく人の往来に影響を与えてしまう。意図しなくても周囲に「迷惑」をかけてしまうのだ。

それが当たり前だろ、と思うかもしれないが、ここで先ほどの調査を思い出してほしい。我々は「他人に迷惑をかけなくとも、個人の勝手な行動が許せない」という国民だ。

そのような人たちが大量に溢れる世界で、身重の体や泣きわめく乳幼児で、他人に「迷惑」をかけている女性がいたらどうなるか。チッという舌打ちとともに、東出さんや唐田さんに対して湧き上がっているような憎悪が芽生える、という人もいるのではないか。

みんな迷惑をかけないように、自分勝手な行動を慎んでいるのに、なんでこの女は妊婦や子連れというだけで、こんな自分勝手な行動をするのだ。ふざけるな――。

集団にフィットするために「自分を殺す」ことを教育する
つまり、近年問題になっているベビーカーを押す母親や、車内で赤ちゃんを泣かせたままにしている母親への心ないバッシングというのは、日本人が幼い頃から叩き込まれている「自分勝手なことはしてはいけない」という「呪い」のような思想がベースにあるのだ。

そんな話はまったく納得できないという人も多いかもしれないが、ならば自分がこれまで生きてきた道のりを思い返してほしい。

我々は幼い頃からことあるごとに「人に迷惑をかけるな」「みんなに迷惑をかけるような勝手なことをするな」と親や教師からことあるごとに、集団へフィットするために自分を殺すということを叩き込まれてきた。

その全体主義的教育の賜物が、外国人が絶賛する、日本の小学生の「前へならえ」に代表されるような、軍隊のように規律正しい整列や、テレビなんかで美談にされる、「30人31脚」や、長縄とびなどの「集団行動」である。

このように「みんな」のために、「自分勝手な行動を控える」ということこそが人の生きる道だと教え込まれた人たちが、大人になるとどうなるか。

自分勝手な行動をする人間が憎くて憎くてたまらなくなる、のではないのか。自分勝手な煽り運転や、自分勝手な不倫、自分勝手に満員電車でベビーカーを押すなんてことに「殺意」を抱くのではないか。

このような「個人の自分勝手な行動」への強烈な憎悪が、日本で最近話題になる「不寛容社会」の根っこにある、と筆者は考えている。

いずれにせよ、東出不倫騒動への、無関係な人たちからのバッシングは常軌を逸している。「これまで芸能人としてチヤホヤされていたのだから、叩かれるのは当然だ」という人たちの「有名人税」的な理論もわかるが、やはり限度はある。当人たちのためではなく、本当に心を痛めている杏さんや子どもたちのためにも、無理に大義があるように叩くのはやめるべきではないか。


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