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離婚による復氏届出期間経過後の婚姻時使用氏への変更

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平成29年 5月13日(土):初稿
○民法第767条で離婚による復氏として
婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する。
2 前項の規定により婚姻前の氏に復した夫又は妻は、離婚の日から3箇月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を称することができる。

規定されています。

○「婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する。」のが原則とされているのは、「婚姻によって氏を変更した者が、離婚によって婚姻前の氏に復することは、離婚が行われたことを社会的にも明確にし、新たな身分関係の形成を公示しようとする」ことが制度目的です。しかしこの制度目的以上に、使い慣れた婚姻時の氏を使い続けたいとの要請がある場合は、例外的に「離婚の日から3箇月以内」であれば、「戸籍法の定めるところにより届け出」をすれば、婚姻時の氏を称することができると定められました。これを婚氏続称と言います。

○離婚の際には旧姓に戻り、旧姓の方が良いと思って3ヶ月以内に婚姻時の姓を称する届出をしなかったのですが、その後、やはり婚姻時の氏に戻りたくなった場合は、以下の戸籍法の規定に従います。
戸籍法第107条 やむを得ない事由によつて氏を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。

○離婚届出3ヶ月以内であれば、単なる届出で婚姻時の氏を使い続けることが出来ますが、3ヶ月を経過すると単なる届出ではなく、「家庭裁判所の許可」が必要となり、且つ、「やむを得ない事由」があると認定されなければ家庭裁判所は許可しません。この「やむを得ない事由」の判断基準は、
①難解・珍奇な氏等その氏の継続を強制することが社会観念上甚だしく不当な場合
②通称氏を長年使用し、その氏の変更を認めないと社会生活上著しい支障をきたす場合
③婚氏の届出期間経過後に、その婚氏に変更を認めないと社会生活上著しい支障をきたす場合

等が上げられています。

○ですから、離婚後3ヶ月間の婚氏続称手続期間経過後は、単なる市役所等戸籍係への届出ではなく、家庭裁判所への許可申立との手続が必要になりますが、原則として、いったん戻った旧姓から婚姻時使用していた姓に戻ることはできると考えて宜しいでしょう。では、その逆の場合、即ち婚氏続称手続で婚姻時の姓を使い続けることにしたのが、その後、やはり旧姓に戻したいとなった場合はどうでしょうか。

○この場合も、戸籍法107条に従って家庭裁判所への許可申立が必要ですが、「離婚後15年以上婚氏を称した者の改氏認容平成26年10月2日東京高裁決定紹介」で紹介した平成3年9月4日大阪高裁決定の考え方で、「やむを得ない事由」があるとしての許可は取りやすいようです。
以上:1,159文字

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