平成20年 5月11日(日):初稿 |
○母が子供を連れて別居して離婚に至り、父が懇請する子供との面接交渉を頑として拒否する母の話を続けます。面接交渉は拒否しても養育費の支払は請求している場合は、養育費を貰いながら子供に会わせないのは虫が良すぎるのではありませんかと、面接交渉を認めて頂く方向でのアドバイスが出来ます。 ○ところが希なケースですが、あんな男は子供の父親としては認められない、あんな男の世話には一切ならない、だから養育費も請求しない、当然、子供との面接交渉も認めないという母も居ます。理屈から言えば、養育費は究極的には母の権利ではなく、子の父に対する扶養請求権であり、母が勝手に放棄することは出来ないはずです。 ○しかし子供が幼児で意思能力がない時点では、親権者となった母が子供の権利行使についても包括的代理権限を有していますので、結局は、母が勝手に子供の養育料の請求を放棄することも事実上可能です。このように養育料も請求せず、一切の関係を断ち切りたいので、当然、子供との面接交渉も認めないという母に対してどのようなアドバイスにすべきでしょうか。 ○子の父に対し、一切世話になりたくない、養育料も一切要らないと主張する母は、あんな男は子供のためにならない存在と確信していますので、幾ら法律上は養育料は子の権利であり母が勝手に放棄できないと理屈を述べても全く聞く耳を持ちません。 ○私が扱った事案でもこのような例が何件かありましたが、中には離婚に応じない夫に対し、養育料など一切受け取らない、また夫が早く離婚に応じるなら数百万円のお金を支払っても良いと言う例もありました。この例で夫は自分には離婚理由がなく絶対に離婚には応じられない、妻は戻ってくるべきと言い張っていましたが。 ○このレベルまで夫が嫌で嫌で仕方なくなった女性は、正に夫の顔を思い出しただけで虫ずが走る状況になっていますので、子と父の絆は永遠に続くなんて話しをしても全く意味がありません。私の考えではここまで嫌われたら、潔く諦めるしかないのですが、これ程までに嫌われる夫に限って自分には離婚理由がないなどと全くの的外れを主張しがちです。そもそも人の心を読むという発想が全くないからです。それ故嫌われたのですが本人は全く気付いていません。 ○「敗因分析-私の場合6」に記載したとおり私自身ひどく嫌われて妻に逃げられた経験がありますが、今になって振り返るとこの経験は私にとって大変貴重な経験でした。このHPで男女問題をくどくどと書けるようになったのもこの経験のお陰です。養育料なんて一切要らないとまで妻に言わしめる夫のケースは、妻に一応法律論の説明をした上で、人間関係論としての事情を詳しく聞いて夫に対する説明をケースバイケースで思い巡らすしかありません。 以上:1,131文字
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