平成18年 9月 1日(金):初稿 |
○平成18年8月29日、日弁連会館2階講堂クオレにおいて開催された厚生労働省年金局年金課課長補佐小野浩司氏による厚生年金分割の仕組みと関係法令についてと題する研修では115頁に及ぶレジュメと参考資料が配付されましたが、これには離婚件数等の厚生労働省の最新データが掲載されていました。 ○離婚件数は平成14年の28万9836組をピークに平成15年から減少に転じましたが、平成17年のデータが気になっていたところ、厚生労働省HPでは以下の通り平成16年までのデータしか掲載されていません。 ○ところが上記研修会でのレジュメには上記グラフに平成17年分も掲載されており、平成17年離婚件数は26万1929組でした。平成16年の28万0815組より更に9000件減少しています。この減少傾向は、離婚時年金分割制度を待っているからと一般に解説され、産経web新聞の「離婚件数減少は今だけ? 団塊夫を待ち受ける“年金分割” 」によると「第一生命経済研究所は離婚件数の実績と、失業率や女性労働力率など経済環境の変化を踏まえた理論的な試算値との乖離(かいり)から、年金分割を待つ離婚予備軍は4万2000組に上ると推計」とのことです。 ○平成18年は9月となり3分の2が経過しましたが、当事務所扱い事件の内男女問題では不貞による慰謝料請求事件の増加率の方が高く、離婚事件数も平成17年よりは若干増えております。 ○同居期間別離婚件数の年次推移についての厚生労働省HPデータも以下の通り平成16年分までしか掲載されていませんが、上記研修会レジュメには平成17年分まで掲載されています。注目の同居期間20年以上の夫婦の離婚件数は平成16年4万1958件が平成17年4万0395件と3.7%減少しています。20年以上の同居期間を更に5年毎に分けると25年以上30年未満が減少率6.1%で5年毎の各期間では最高の減少率でした。この25年以上30年未満が減少はやはり年金分割制度待望組かも知れません。 厚生労働省には新規データに基づきHPを早く更新していただきたいものです。 以上:864文字
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