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平成14年 7月15日(月):初稿 平成17年11月28日(月):更新 |
私は、離婚相談に訪れた方には、家庭学校論、家庭戦場論を通じて先ずやり直しを薦めます。 しかし、相手がそばに来ると虫ずが走る、ぞっとして寒気がするようになった方には、無理にやり直しは勧めません。この段階では正に「覆水盆に返らず」だからです。 離婚に至った方、特に相手から不本意な離婚を迫られ、不承不承決断した方には、実質離婚率50%論を紹介します。結婚しても確率的に半分は失敗するという私が勝手に作った暴論です。アメリカでは実際2分の1が離婚します。日本では平成13年は結婚数と離婚数の比率が40%近くになったと記憶していますが、全体の離婚率は、まだ2割位でしょうか。 日本では現在は10組の内2,3組しか離婚しないけれども、実質は10組の内5組は失敗組で、アメリカだったら確実に離婚しており、日本で離婚しないのは、離婚抑圧圧力が高いからですと説明します。離婚に対する世間の風当たり、何よりも離婚によって妻が食えなくなると言う経済的圧力のため、離婚率は5割になっていないが、この抑圧圧力がなくなったら日本もアメリカ並みに離婚率5割になると思っています。赤の他人が恋愛と言う一時の熱病で結婚するわけですから、確率的には半分は失敗すると見る方が合理的です。人は誤った理由で結婚し、正しい理由で離婚するとの言葉は、実に的を射たものです。 経験者は語りますが、離婚とは、実に大きなストレスになります。特に不本意に離婚させられる方は尚更です。鶴亀通信にフィクションを装って書いていますが、私の場合も、実に辛いものでした。更に子供がいる場合はストレスは倍増し、別れた子を思っては涙ぐみ、自信を失い、他人に会うのが嫌になり、当然商売にも影響し、売上は下がるし、皆に馬鹿にされているのではないかと、被害妄想の心境にさえなり、終いには神をも呪うようになりました。なんでこんな真面目で善良な男をいじめるのかと。 私はこの経験から、離婚に至った方には、実質離婚率5割論を紹介し、離婚したからと言って決して恥じる必要はありませんと励ますようにしています。 勿論、依頼者には私も離婚経験者とは原則として打ち明けませんが、何しろ経験者ですから、妙に自信をもって5割論をぶつので、皆さん、納得してくれます。中には涙を流して喜び、本当に相談に来て良かったと言って帰る方もおり、あー、弁護士をやって良かったなと思います。 以上:986文字
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