仙台,弁護士,小松亀一,法律事務所,宮城県,交通事故,債務整理,離婚,相続

旧TOPホーム > 貸借売買等 > 金銭貸借 >    

不動産譲渡担保の所有権移転登記と差押

貸借売買無料相談ご希望の方は、「貸借売買相談フォーム」に記入してお申込み下さい。
平成19年 3月 2日:初稿
○平成18年10月20日最高裁判決(判例時報1950号69頁)に基づく不動産譲渡担保の話しです。
先ず譲渡担保とは、設定者(債務者又は物上保証人)が担保の目的である権利(通常所有権)を債権者に移転し、その権利は債務弁済によって設定者に復帰し、債務弁済がないと確定的に債権者に帰属し又は第3者に譲渡されてそれによって債権回収が図られる担保方法とされます。

○事案を簡略化すると、AさんがBさんから平成18年2月1日に6ヶ月後の7月31日を返済期限として1000万円を借りてAさん所有甲土地を譲渡担保を原因として所有権移転登記していましたが、7月31日に返済が出来なかったところ、8月1日にBさんの債権者であるCさんが、Bさん名義の甲土地を差押しました。

○しかしその後Aさんは9月1日にようやく1000万円を用立てることが出来、所定の金利と共にBさんに返済して、甲土地の所有名義をAさんに戻し、その上でCさんに対して甲土地は自分の所有なので、Cさんの差押は無効であるとして第3者異議の訴えを提起しました。

○一審裁判所は、譲渡担保権者が換価処分を完結するまでは、設定者は債務を弁済して目的不動産を受け戻すことができるから、債務を弁済し、登記を経たAさんは民執法38条1項の第三者にあたると判断し、Aさんの言い分を認めました。

○しかし二審裁判所は、7月31日の弁済期経過によりBさんが甲土地の処分権能を取得し、その後にCさんの強制競売申立てに基づく差押登記がされたから、差押登記後にAさんが1000万円を返済して甲土地所有権を回復しても、Aさんは、差押の処分制限効により所有権の回復をCさんには対抗できないとしてAさんの請求を退けました。

○そこでAさんが最高裁判所に上告をしたところ、上告が受理され、最高裁判所は二審裁判所の判断を支持し、「被担保債権の弁済期後は、設定者としては、目的不動産が換価処分されることを受忍すべき立場にあり、譲渡担保権者の債権者による強制競売も同様に受忍すべきものであって、弁済期後に目的不動産を差し押さえた譲渡担保権者の債権者との関係では、差押後の受戻権行使による目的不動産の所有権の回復を主張することができなくてもやむを得ない」としてAさんの上告は退けられました。

譲渡担保に出した不動産は、弁済期が過ぎると譲渡担保権者に処分されることを覚悟しなければならず、従って譲渡担保権者の債権者に差押を受けた場合所有権の回復が出来なくなりますので注意が必要です。
以上:1,029文字

タイトル
お名前
email
ご感想
ご確認 上記内容で送信する(要チェック

(注)このフォームはホームページ感想用です。
貸借売買無料相談ご希望の方は、「貸借売買相談フォーム」に記入してお申込み下さい。


 


旧TOPホーム > 貸借売買等 > 金銭貸借 > 不動産譲渡担保の所有権移転登記と差押