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映画”事件”を観て-妹のしたたかさと姉の哀れさ実感

令和 6年 3月24日(日):初稿
○令和6年3月23日(土)は、ツルカメフラメンコアンサンブル練習日で、同年3月30日(土)に太白区文化センター展示ホールで開催予定の「ミュージックあ・ら・かると実行委員会」主催コンサートでの発表曲「荒城の月」、「コーヒールンバ」、「ベサメ・ムーチョ」の3曲を練習しました。練習後、いつもの店屋物で夕食を摂りながら、昭和53年制作野村芳太郎監督作品映画「事件」BDで鑑賞しました。これも10年近く前に購入していたものですが、積ん読状態でした。

映画「事件」は、姉妹で一人の青年を愛し奪い合ったことからおこった殺人事件を中心に、現代の不安な青春の姿を描く、大岡昇平原作の同名小説の映画化です。昭和53年は私が司法研修所に入所した年で、映画「事件」は、小説「事件」と同様その年の話題作でしたので、映画館で鑑賞したとばかり思っていました。しかし、それか46年の歳月が流れ、内容は忘却の彼方で、全く初めて観る感覚で鑑賞しました。裁判長佐分利信・公判検事芦田伸介・弁護人弁護士丹波哲郎各氏は当時重鎮俳優で、三者丁々発止の法廷場面が連続しますが、大変見応えのあるものでした。

○弁護士の私としては、丹波哲郎氏の弁護ぶりを興味深く観ましたが、事実を背景事情を含めて深く的確に分析し、鋭い証人尋問等で検察主張を崩していく様子は、見事と言うしかなく、実際の裁判では、あのようにかっこよく見せるのは、至難の業です。証人尋問では、検察・弁護双方から、異議が連発され、裁判長も適切に異議を裁いてゆきました。私も15年前までは刑事事件を扱っていましたが、事実が争いになるケースを余り扱わなかったためか、実際の裁判で尋問に対して異議が出されるのは、滅多にありませんでした。

○鑑賞後に感じたのは、姉妹で一人の青年を愛し奪い合った大竹しのぶ氏演ずる妹ヨシ子のしたたかさと松坂慶子氏演ずる姉ハツ子の哀れさでした。姉は妹に愛する男を奪われた挙げ句に死んでしまうのですから。永島敏行氏演ずる気弱でまだ若く精神的にも未熟な青年宏は結局妹ヨシ子に手玉に取られていたのではと感じました。渡瀬恒彦氏演ずるハツ子のヒモのヤクザから、ヨシ子は最後に「お前も大したタマだな」と言われますが、正に実感の言葉で、それを実感させる大竹しのぶ氏の演技力が凄かったことになります。令和5年NHK連続小説「らんまん」で主人公の祖母役を演じた松坂慶子氏の若い妖艶な姿も見ものでした。

あの頃映画 the BEST 松竹ブルーレイ・コレクション『事件』2015/5/8リリース!



事件(1978)/メインタイトル

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