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”日本を「低賃金国家」にしたのは誰か”紹介

令和 6年 3月30日(土):初稿
○令和6年3月27・28日の2日間、久しぶりに大阪に行きましたが、外国人が多いの驚嘆してきました。1日目のユニバーサル・スタジオ・ジャパンでもそううでしたが、2日目道頓堀等繁華街を歩くと、正に右を見ても左を見ても外国人ばかりと言う状況でした。仙台でも、最近は、多少増えてきたかと感じていましたが、大阪繁華街での外国人の多さは仙台とは全くレベルが違います。大阪エクセルホテル東急での朝食レストランでは、9割が外国人でした。

○マネー現代3/25 5:02 配信「訪日旅行客数が前年同月比1.9倍、コロナ前の最高更新に王手。儲かるサービス産業に転換するチャンス」との記事によると、「米国の大手旅行雑誌『コンデナスト・トラベラー』が昨年10月3日に発表した読者投票によるランキング「リーダーズ・チョイス・アワード」の「世界で最も魅力的な国」に、「日本」が第1位(前年は2位)に選ばれた。」とのことで、単に「円安」だけが外国人旅行客を増やしているのではなさそうです。

○しかし、ニューヨークでは5000円の大戸屋定食が、日本では1000円という物価の安さが日本に来やすい理由の一つであることは間違いないと思われます。日本が「安い」国になった実態について「さらに賃上げすれば減税という「泥棒に追い銭」の末期的政策まで実施へ=神樹兵輔」と言う記事が参考になりました。以下、その備忘録です。

プロフィール:神樹兵輔(かみき へいすけ)
投資コンサルタント&マネーアナリスト。富裕層向けに「海外投資懇話会」を主宰し、金融・為替・不動産投資情報を提供。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 経済の話』 『面白いほどよくわかる最新経済のしくみ』(日本文芸社)、『経済のカラクリ』 (祥伝社)、『見るだけでわかるピケティ超図解──21世紀の資本完全マスター』 (フォレスト出版)、『知らないとソンする! 価格と儲けのカラクリ』(高橋書店)など著書多数。


日本の労働生産性は低すぎる?労働生産性は、おおむね次のような2つの計算式で導き出すのがふつうです。
・物的労働生産性=「生産物の量 ÷ 労働量」
・付加価値労働生産性=「付加価値額(売上 - 仕入れ)÷ 労働量」

ちなみにこうした計算式で導き出された日本の労働生産性は、2022年の公益財団法人・日本生産性本部のデータによると、1時間当たりの購買力平価換算の付加価値額が52.3ドル(年間85,329ドル)、OECD加盟国(経済協力開発機構、Organisation for Economic Co-operation and Development)38カ国中30位に相当します。

日本の労働生産性は、非常に低い順位になっているのです。これはポルトガルやハンガリーといった旧ソ連のワルシャワ条約機構を結んでいた東欧7カ国などと同水準なのです。

ただし、2021年の「製造業」に限定した労働生産性は、もう少し高く94,155ドルで米国の約6割の水準でした(OECD加盟国の中では第18位)。

ちなみに、かつての日本の「製造業」に限定した労働生産性は、1985年以降の円高もあって、世界のトップクラスを2000年代の初頭まで続けていたこともあります。さすがに「モノづくり大国ニッポン」という時代も謳歌していたわけです。

たとえば、日本の製造業の労働生産性は1995年と2000年にOECD加盟38カ国中では第1位でした。しかし、05年に第7位、10年に第10位、15年に第14位、21年に第18位と次々に順位を落としていきます。また、この頃の日本の「一人当たりGDP」も常勝1位の小国ルクセンブルグに次ぐ2位(1988年と2000年)や3位レベルで推移していました。そして、日本人の賃金水準も同様につねに10位以内の上位ランクを維持していたのです。

さらに付言すれば、スイスに拠点をおくビジネススクールのIMD(国際経営開発研究所)が毎年発表する「世界競争力年鑑」の総合力で、日本は1989年から1992年の4年連続で、世界第1位でしたが、その後は30年以上凋落を続け、2023年版の最新の年鑑では過去最低の35位に落ち込んでいます

これらのデータが何を意味するかといえば、1985年の「プラザ合意」以降に円高不況に見舞われてから、金融緩和に舵を取った日本はバブルを謳歌したものの、90年のバブル崩壊以降は坂道を転がるように「失われた30年の道」を歩んできたことが如実に窺える傾向だったのです。

とりわけ当初の「失われた20年」を経たのちの、2012年12月就任の故・安倍元首相以降のアベノミクスの円安政策によっては、さらに急速に日本の国力を衰退させたことが顕著な傾向となっています(ただし、輸出大企業の売上という業績は円換算では好調に推移)。

実際、「1人あたりGDP」は安倍政権の2013年以降から、世界で20位以下に落ち込んでしまい、ずっと横ばいを辿っています。

アベノミクスがいかに国力を衰退させる弊害をもたらしたかが鮮明なのです。円を安くして、大企業の見せかけの売上のみに貢献したのです。

故・安倍元首相は、アベノミクスの2019年までの7年間で雇用が499万人増えたと胸を張りました。しかし増加の7割は、賃金下落をもたらすにすぎない非正規雇用労働者でした。
 

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