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平成20年1月10日横浜地方裁判所低髄液圧症候群認定判決2

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平成22年12月15日:初稿
○「平成20年1月10日横浜地方裁判所低髄液圧症候群認定判決1」の続き、争点の前半です。
 保険会社側は、「仮に被告甲野太郎が低髄液圧症侯群であったとしても、本件事故後半年以上経過してから症状が増悪し、8か月以上経過したときに頭痛が発症したことに照らすと、本件事故とは別の何らかの理由(負荷)により発症したものといわざるを得ない。」として、交通事故と低髄液圧症候群の因果関係を否認しています。

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3 争点
(1) 被告甲野太郎の医療費
ア 被告甲野太郎の主張 247万7285円
 別紙1(訴状添付の「対人診療費・柔道整復費等集計表」の写し)の合計額151万8140円に別紙2(反訴状添付の別紙1「医療費等」の写し)の合計額95万9145円を加えた247万7285円

(ア) 被告甲野太郎は、本件事故後、B病院、D病院、E整形外科等において治療を受けたが、肩凝り、腰痛、しびれ、だるさ等の症状は改善されず、かえって増悪しており、特に平成16年10月以降は頭痛が激しく、おう吐を繰り返すようになった。そこで、E整形外科において、痛み止めのためのブロック療法を毎日のように施されたが、上記症状は一向に改善しなかった。
 同被告は、E整形外科以外の医師のセカンド・オピニオンを求めたところ、平成17年4月7日、F病院において、脳脊髄液減少症(低髄液圧症侯群)との診断を下され、同年5月9日から同月18日までの間、上記病院に入院してブラッドパッチ療法を受けた結果、上記症状は改善した。そして、同被告は、退院後も、経過観察のために週1回前後の頻度で上記病院に通い、同年7月20日、完治に至った。このように同被告の治療が長期化したのは、脳脊髄液減少症と診断されてその治療を受けるようになるまでに時間を要したからである。

(イ) 同被告の症状を「脳脊髄液減少症(低髄液圧症侯群)」と呼ぶのが適切かどうかはさておき、プレドニン等の鎮痛剤でも改善しないほどの締めつけられるような激しい頭痛とめまいが存在したこと(証拠略)、頭部MRIで髄液漏れを疑わせる所見があったこと(証拠略)、ブラッドパッチ療法の直後から症状が改善していること(証拠略)から、同被告に髄液漏れがあったのは確かである。

 そして、この髄液漏れの原因は、本件事故である。すなわち、丙川医師による(証拠略)の「外傷が軽度だから無関係と言うことではなく、低髄液圧症侯群が事実である限り、一定程度の外傷であれば因果関係が存在すると言うことになる。つまり、より強度の外傷が示されない限り、もっとも主要な外傷を起因と捉えることは合理的と思われる。」という記載に係る判断基準によるべきところ、これは、同被告を診断した医師の「因果関係については外傷歴から他には考えずらいのではないか」(証拠略)、「事故以外に発症し得るエピソードが無く、事故前に症状が無かった事、を理由に肯定。『事故以外考えられない』」(証拠略)という意見と一致している。

 なお、(証拠略)には「腰椎穿刺後から2日以内に発症することが一般的ではあるが、1週間程度を経て発症する症例が存在することもある。国際頭痛分類の記載では、腰椎穿刺後の起立性頭痛は、“頭痛は硬膜穿刺後5日以内に発現”と記載されている。」との記載があるが、これは腰椎穿刺後の低髄液圧症侯群に関するものであり、本件には当てはまらない。

イ 原告の主張 151万8140円
 別紙1の治療費等については認めるが、別紙2の治療費等については以下の理由により本件事故との相当因果関係を認めない。
(ア)被告甲野太郎は、本件事故後半年以上経過した平成16年10月ころから突如急激に症状が増悪しており、その原因は不明である。同被告は、上記の症状増悪までは就労していた。

(イ)脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)は、医学界において確定的な評価はなされておらず、脳外科手術を経ずに発生した脊髄液減少症及びブラッドパッチ療法には健康保険が適用されていない。
 脳脊髄液減少症(低髄液圧症侯群)は、「脊髄神経根周囲組織には解剖学的脆弱性があり、軽微な頭頸部および脊柱外傷や何らかの負荷(ストレッチ運動・いきみ・咳嗽など)により髄液漏が発生することが分かってきた。場合によっては本人が気付かない負荷でおこり、特発性とみなされる症例も多く存在する。」(証拠略)とされている。

 そして、本件において、被告甲野太郎は、平成16年10月まではほぼE整形外科に通院するのみであったのが、同年11月以降、Hクリニック、Cクリニック、J治療院、K病院において受診するようになった経緯、同月ころからE整形外科において後頭神経ブロック注射を受けるようになった経緯からすれば、従来の低髄液圧症侯群に特有の頭痛が同年10月末ころに発生したことは明らかである。
 以上に照らすと、仮に被告甲野太郎が低髄液圧症侯群であったとしても、本件事故後半年以上経過してから症状が増悪し、8か月以上経過したときに頭痛が発症したことに照らすと、本件事故とは別の何らかの理由(負荷)により発症したものといわざるを得ない。

(2) 被告甲野太郎の交通費
ア 被告甲野太郎の主張 15万4300円
 被告甲野太郎が平成16年12月1日から平成17年4月26日までに要した交通費は別紙3(反訴状添付の別紙2「通院交通費明細」の写し)である。

イ 原告の主張 1万4900円
以上:2,256文字

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