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”マイクロバイオームとは―人と細菌の共生関係と健康”紹介2

令和 5年 2月 3日(金):初稿
○「”マイクロバイオームとは―人と細菌の共生関係と健康”紹介」を続けます。小西昭彦歯科医師著「歯周病の新常識」の「はじめに歯周病ってどんなもの?」に2012年、米国国立衛生研究所のヒトマイクロバイオームの研究成果として、病原体が人の体内に侵入しても人体に生存する常在微生物の集合体であるヒトマイクロバイオームの働きで、病原性を発揮させないことが報告され、歯科治療においても、歯周病原菌が見つかっても、歯科治療で必要なことは、その細菌を除去することではなく、細菌が病原性を発揮しないようマイクロバイオームを管理することが主眼になるとの記述に興味をひかれました。

「歯周病の新常識」では、抗生物質で歯周病菌を退治する従前の治療方法は、却って口腔や全身の健康を害する治療法となり、口腔の微生物群であるマイクロバイオームを考慮した歯周病治療が、歯周病治療の新常識になるとのことです。そのマイクロバイオームについての分かりやすい解説記事として、南22条おとなとこどものクリニックというブログの「ヒトは身体は微生物だらけ:マイクロバイオーム」を紹介します。

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ヒトは身体は微生物だらけ:マイクロバイオーム
2020.05.19


マイクロバイオームとは
微生物と聞くとあまり良い印象はないかもしれませんが、もしも、この微生物に私たち人間が見放されたら、栄養失調か感染症で長くは生きていけません。
この微生物は、ただ我々の身体をすみかに借りているだけではなく、私たちが生きていくために食べ物の消化吸収を手伝い、免疫力のバランスを調整し、肌荒れや病原菌の侵入を防ぎ、さらには僕たちの感情や思考に影響を与えていることがわかってきました。
この身体のなかの微生物をマイクロバイオーム(微生物叢)と呼びます。このマイクロバイオームはヒトの健康や病気にすごく大切な役割を果たしています。

マイクロバイオームはどこにあるのか
ヒトの体内には100兆もの微生物が生息していると推測されています。大部分は腸にすんでいます。この微生物(マイクロバイオーム)には細菌やウイルス、真菌などが含まれています。
母親のお腹の中にいる赤ちゃんは無菌なのですが、産道を通過する時に様々な微生物が赤ちゃんのあらゆる部位に付着し微生物にコーティングされるのです。このコーティングの後はご家族との接触や環境、食べ物などによって変化していき、3歳くらいに完成します。
マイクロバイオームは一人一人全く違っており、一人の人間の中でも場所によって全く違います。環境が同じである兄弟同士は似ているようですが、全く一緒ではありません。

マイクロバイオームはどんなことをしているのか
マイクロバイオームは人間の体に良いことをしてくれるもの、悪影響を与えるもの、外敵がやってきたら攻撃して戦うものなどがいます。
例えば、ある乳酸菌は、口の中にいる雑菌を押さえ込んでくれますが、別の乳酸菌は強い酸を出して虫歯を誘発したりします。
他にも、マイクロバイオームは、食べ物の消化を助けたり、ビタミンを生産したり、外敵から腸を守ってくれたり、ヒトの免疫システムを制御したり、さらには最近では脳に働きかけてヒトの行動にまで影響を与えたりしていることがわかってきました。
マイクロバイオームを良く働くように維持できれば、我々も健康を維持できるといわれてます。このマイクロバイオームが乱れることで発症する病気があります。

病気とマイクロバイオームの関係
肥満とマイクロバイオームの関係
マイクロバイオームはそれぞれに好みのものがあるようです。食物繊維が好む者や脂っこいフライやバターを好む者もいます。
ファストフードばかり食べていると、ファストフードが好きなマイクロバイオームばかりが繁殖し、ほかの微生物を押しのけて、脳にもっとファストフードを食べるように働きかけます。こうして肥満が形成されます。
ヘルシーなものや善玉菌を増やすことでこの悪循環を改善できる可能性があります。
最近は新型コロナウイルスとの関連も指摘されています。

COVID-19重症化の謎とマイクロバイオーム関与の可能性
COVID-19は8割の人はそのままほおっておいても治癒します。2割の人が発症から7日を過ぎたころに肺炎を来たします。コロナウイルスによって気道のマイクロバイオームが乱され免疫のバランスが壊れて、過剰な免疫反応(サイトカインストーム)が起こる可能性が示唆されております。
BCGも乳幼児期に接種してマイクロバイオームが変化することでCOVID-19への感染のしやすが変わる可能性があるのではないかという内容です。今後、解明されるのが楽しみです。

マイクロバイオームにとっての脅威
マイクロバイオームに対する最大の脅威は、抗生物質の多用です。
抗生物質によって多くの人の命が救われてきましたが、現在、抗生物質は安易に多用されている可能性があります。抗生物質は善玉菌と悪玉菌を区別することができずにマイクロバイオームを皆殺しにしてしまいます。
他にマイクロバイオームに有害なものとしては、喫煙や抗菌成分を含むマウスウォッシュ、加工食品があります。
以前に比べるとマイクロバイオームの種類が減っていることが、喘息とかアレルギーなどの病気が増えている原因ではないかという説もあります。

まとめ
私たちは微生物と一緒でなくては生けていけませんし、微生物もヒトがいないと死滅してしまう関係にあります。
マイクロバイオームについてはこうしたら絶対に良くなるといった関係についてはまだ研究段階です。少なくとも脅威と考えられている行動は慎みたいですね。
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