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2024年04月16日発行第363号”弁護士の偶然世界”

令和 6年 4月17日(水):初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの令和6年4月16日発行第363号弁護士の偶然世界をお届けします。

フィリップ・K・ディックなんて名前も全く知りませんでしたが、ウィキペディアで調べると有名なアメリカのSF作家で、映画「ブレードランナー」、「トータル・リコール」等の原作者なんですね。今回もまた勉強になりました。古典からSFまで大山先生の幅広い教養にいつもながら感心します。

○現在は激減していますが、後遺障害の等級を争う難しい交通事故訴訟を相当数取り扱い、相当数の裁判官と巡りあって来ましたが、大山先生の言う「偶然」は、ホントに実感してきました。交通事故訴訟の実体は、加害者と被害者の争いではなく、加害者側保険会社と被害者の争いです。被害者に寄り添う裁判官もいますが、保険会社の言いなりとしか思えない裁判官もいました。いずれの裁判官に会うかは、正に「偶然」です。

○訴訟は、裁判官による当たり外れの多い、バクチみたいなところがありますとお客様に説明してきました。大山ニュースレターを見て、外れの裁判官に当たっても、当たりの方向に変えるべく努力して、弁護士は当たりだったと言って貰えるよう頑張る重要性を実感しました。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士の偶然世界

「偶然世界」は、フィリップ・K・ディックのSF小説です。「公共的偶然発生装置」というシステムにより、60億人の人類の中から権力者がランダムに選ばれる未来の話です。50年前のSFですが、今読んでもとても面白い。ところで、つい最近も自民党の裏金事件が問題になりました。確かにけしからん話です。ただ、今の民主制の下では、選挙にお金がかかるのも事実なのです。マーケティングをしたことがある人なら、商品を全国的に売り出すのに大変なお金がかかることはよくわかっているはずです。これは、「議員」という「商品」を売り出す場合でも同じことです。

この点、「偶然世界」のように、権力者を偶然に選ぶ仕組みなら、お金がかかる選挙の問題は解決されちゃうのです! 偶然選ぶことに抵抗がある人もいるでしょう。しかし、ギリシャの民主制度では、権力者はくじ引きで決めていたなんて、歴史の教科書で習ったはずです。それでも、特に今の制度と比較して大きな問題もないように思えてしまいます。もっとも、「偶然」選定された権力者が暴君になるようなリスクもあります。それを防ぐためなのか、このSF小説では、権力者に対して公認の暗殺者を向けることが許されているのです。それに対して権力者側は、人の考えを読むことができるエスパーを護衛につけることができます。

このSF小説では、暗殺者側が多数の人間の意識を共有するアンドロイドで、エスパーの裏をかいて暗殺をしていくなんて、いかにもSFらしい盛り上がりを見せていきます。さすがに現代社会では、偶然に選ばれた議員や総理大臣を暗殺する仕組みはまずいでしょう。しかし、ここでもギリシャの制度が活用できます。罷免させたい者の名前を書いて投票する、「陶片追放」です。多くの人が罷免させたいとするなら、権力者の座を追われるわけです。でもこの制度、現代日本でも採用されているんです。最高裁判所の裁判官について、「国民審査」ということで、罷免させたい人の名前を書くことができます。今まで一人の裁判官も、実際に辞めさせられたことはないのですが。。。

さらに、「偶然」を政治の世界だけでなく、裁判の世界にも持ち込めないかと考えちゃいます。今の制度だと、裁判に非常に長い時間と費用が掛かります。そうであるなら、おもいきって裁判の勝敗も「偶然」で決めるなんてどうでしょうか? 中世のヨーロッパなど、神託による裁判みたいなものもあったそうです。これなんて「偶然」による裁判と同じに思えますね。「偶然で結果が左右されるのはおかしい」と考える人も多くいそうですが、現状の司法制度でも、本当に多くの面で「偶然」によって結果が左右されているのです。たとえば、うちの事務所では多くの痴漢や盗撮の刑事事件を扱っています。こういう比較的軽い事件の場合、どの検察官が担当するかによって、処分の内容が違ってきます。弁護士がしっかり活動して、被害者と示談すれば、多くの検察官は不起訴にしてくれます。

しかし中には厳しい検察官もいて、罰金や正式裁判にされることもあるのです。これなんて本当に「偶然」によって決まります。裁判官も同じです。弁護士としてできる限りの対応をしても、どの裁判官が担当になるかという「偶然」で、裁判結果が違ってきます。これは、裁判の「判断」の違いだけではないのです。和解によってお互い妥協できるところを見つけようとする裁判官と、法律でバッサリ切る裁判官では、結果に大きな違いが出てきます。

というわけで、弁護士についてです。お金のない被告人につける国選弁護人では、示談などを熱心にする人と、適当にやる人でかなり結果が違ってきます。これまた偶然に左右されます。でもこれって国選弁護人だけではなく、自分で契約した弁護士でも同じようなものです。依頼した弁護士の有能さなど依頼者からは中々分からない。「偶然選んだのが大山弁護士で良かった」と言って貰えるよう頑張ります!

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◇ 弁護士より一言

少しは筋肉を付けようと、マンツーマンのジムに通い始めました。コーチのお兄さんがノリの良い人で、私のことを励ましてくれます。「大山さんはトム・クルーズと同じ年ですから、そこを目指しましょう!」さらには、「大山さんと同じ年の人、また見つけてきましたよ。阿部寛も堤真一もほぼ同じ年ですから、頑張りましょう」 そ、そんな人たちと比べなくても。。。
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