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2023年12月16日発行第355号”弁護士の確率(3)”

令和 5年12月17日(日):初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの令和5年12月16日発行第355号弁護士の確率(3)をお届けします。

○お客様に、事案を説明されて、裁判になった場合、私は勝てるでしょうかと聞かれることはよくありました。中には、勝てる割合は何パーセント位でしょうかなんて聞いてくるお客様もいました。私の場合は、裁判は、裁判官による当たり外れが大きく、どのような裁判官に当たるかは全く不明で、裁判なんて裁判官の当たり外れで決まる博打のようなものですよと伝えて、判断を逃げることが良くありました。

○私の事務所は、過去には交通事故事件が多っかったのですが、訴訟になったものだけで数百件あり、ホントに裁判官によるあたり外れが大きいなと実感してきました。被害者に寄り添う裁判官は少なく、なかには保険会社の言いなりとしか思えない裁判官も居ました。特に自賠責調査事務所が決めた自賠責判断には、多くの裁判官がこれを覆す判決を出すことには強いためらいがあるように感じました。裁判官は医学には素人で、玄人の医師が入って決めたことを尊重するのはやむを得ない面がありますが、それにしても大きな壁でした。

○交通事故事件は、訴訟になっても多くは和解で解決しましたが、この和解案も裁判官による当たり外れが大きく、殆ど同じ様な事案でも、前の裁判官はこれだけ認めてくれたのに、今度の裁判官はこれしか認めないのかと感じることも良くありました。和解結果も裁判官による当たり外れが大きかったのでした。正に裁判は博打の様なモノだと実感し、訴訟になった場合の見通しは、裁判官の当たり外れによる博打みたいなものですと答えるのが無難でした。その逃げの姿勢が、いつまでたっても零細経営だったのでしょう。大山先生の積極姿勢を見習う必要がありますが、時期既に遅しです(^^;)。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士の確率(3)

これまで2回にわたり、法律と確率の問題を検討してきました。最終回として、弁護士業務に確率の考えを生かす方法を考察しちゃいます ! そう言えば裁判の世界でも、どちらが正しいのかという問題について、0か100かで決めるのではなく、確率に応じて判断しようといった学説がありました。裁判所では認められていませんが、なかなか面白い見解です。実際問題として、裁判所が行う和解の場面では、こんな風に確率論的に考えて、和解案が出されることはよくあります。弁護士としても、自分の側に少しでも有利な確率で判断して貰えるように、あれもこれもと主張していくことになるのです。裁判官が「和解ではこういう事実を評価したい」とヒントを出してくれると、大変助かります。

お客様への法律サービスを考える場合も、確率論を避けて通ることはできません。弁護士がお客様から、事案の見通しを聞かれることはよくあります。「どのくらいの確率で、離婚出来そうですか?」みたいな質問です。そういうときに、法律と裁判例に基づいた「確実」なことしか言わない弁護士が一定数います。離婚の紛争で、法的には離婚事由が認められないのが明らかという事案はよくあります。こういうときに「法的に絶対に離婚は認められません」というのは、法律的には正しい回答です。事件が判決まで行き、裁判所が最終的に判断すれば、まず間違いなくその通りの結果となるでしょう。しかし、取り敢えず別居して、離婚調停を起こせば、それ自体が相手方の気持ちに影響を与えます。そこまで行けば、周りの人や調停委員からも、「もう離婚して、お金を取れるだけ取って、新しい生活に行った方がいいのでは?」などと言われます。そういう事実上の影響により、法的には認められない場合でも、相当高い確率で、離婚は成立しているのです。

これって、労働事件でもよくあります。日本の労働法と裁判実務では、かなりの問題社員でも、解雇は認められていません。とても態度が悪く、他の社員との関係も最悪な社員の事案を担当したことがあります。お客様に挨拶一つしないのだと、社長が憤慨していたのを覚えています。そんな社員を解雇した場合、裁判で最後まで戦われると、まず間違いなく解雇無効とされます。ただ、私も100件近く似たような事案を担当してきましたが、本当に解雇無効ということで会社に戻った人は1名だけでした。現実の解決としては、それなりのお金を支払って、会社を辞めて貰っているのです。確率でいうと、解雇事由が法的には認められない場合でも、9割以上の確率で、事実上解雇は可能だったということになります。

こういう確率の考え方ができる弁護士だと、法律事務所の経営も違ってきます。多くの法律事務所は基本的に零細経営です。従いまして、報酬金を一つでも取れないと、かなりの打撃になります。相手方から1000万円取れた場合は、そのうちの100万円を報酬にする場合は問題ありません。一方、相手方が1億円請求している中で、支払いを5000万円位まで減らした場合など、なかなか報酬金を取りにくいということがあるのです。こんな特殊な事例ではなくても、単純に訴訟等で負ければ報酬はもらえませんね。こういう場合の報酬金は、とりっぱぐれのリスクも考えて、一般的には着手金などでそれなりの費用を請求することになります。しかし、似たような事案を多く扱っている弁護士の場合、確率的に、どのくらい未回収金ができるかが計算できます。そうしますと、その確率を考慮に入れて、合理的な料金設計が可能になります。実際、一定分野のサービスで、定額かつ低額化を実現している法律事務所があります。私も見習いたいものですが、確率計算できるほど、一定分野の仕事が沢山来ないのが情けない。お客様のために、柔軟に確率の考え方を使える弁護士になりたいものです。

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◇ 弁護士より一言

今年もあと少しでクリスマスです。子供たちが小さいときにはサンタさんが来てました。「良い子にしていると、良いプレゼントが貰える確率が高くなるよ !」なんて言ってました。最近は、子供たちが、妻と私にプレゼントをくれるようになりました。良いものを貰えるよう、良い親でいたいと思っています。
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