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2014年06月01日発行第126号”弁護士の逸民伝”

平成26年 6月 2日(月):初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成26年6月1日発行第126号「弁護士の逸民伝」をお届けします。

○私は日本の歴史は好きで比較的書物も集めていますが、中国の歴史書は全く読んでおらず、「後漢書」なんて全く読んだことがありません(^^;)。大山先生の世界を股にかけた読書履歴には感服するばかりです。「逸民伝」なんて言葉も初めて知りました。ネットで「逸民伝」を検索するも余り出てきませんが、「或隠居以求其志、或曲避以全其道、或静己以鎮其躁、或去危以図其安、或垢俗以動其概、或疵物以激其清。
或いは隠居して以てその志を求め、或いは曲避して以てその道を全うし、或いは己れを静にして以てその躁を鎮め、或いは危を去りて以てその安きを図り、或いは俗に垢して以てその概を動かし、或いは物を疵つけて以てその清を激しうす。
」なんて漢文の解説が出てきますが、漢文もすっかり忘却の彼方です。

○王覇という人は、「役人になって立身出世するという当たり前の生き方を拒否して、当時の乱れた社会での出世を望まず、妻子とともに隠遁生活に入った人」とのことですが、ウィキペディアでは、逸民でない「王覇」は解説されていますが、「王覇 (逸民)」は作成中でまだ解説が記載されていません。「王覇 (逸民)」は余りポピュラーではないようです。

○しかし、「役人になって立身出世するという当たり前の生き方を拒否して、当時の乱れた社会での出世を望まず」なんて私も好きなタイプです。役人には限りませんが、人間は「立身出世」が生き方の基本です。私の言う「立身出世」は、文字通りの位人臣を極めることに限らず、「世に認められる」即ち「評価欲求」を満たすことと理解しています。私は、この「評価欲求」の呪縛に囚われない生き方を理想としていますが、人間として生まれた以上、他人及び他人の集まりである社会に認められる「評価欲求」から逃れることは出来ないことも覚悟しています。

○「側にいる信頼できる人から、『あなたのした決断は正しかったんだ!』と言って貰えると、本当に助かるのです。」とは正に人間は「評価欲求」から逃げられないことを意味していると理解していますが、弁護士としてお客様サービスを考えるときの重要な指針です。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士の逸民伝


中国の歴史書には、面白いものが沢山あります。「後漢書」なんて、とても好きでした。
後漢帝国の創始者である光武帝の話しなど、大変ためになります。群雄割拠する騒乱の時代に、多くのライバルを倒して、帝国を作るんですね。多くの武将たちは、誰が最後に勝つか分かりませんから、光武帝の味方をする一方、ライバルの方にも内通の申し出などしているわけです。

そんな中で、ライバルを倒した光武帝は、そこにある文書をすべて、目を通すことなく焼き捨ててしまいます。自分はみんなを信じているから、過去の裏切りの証拠を探したりしないというわけです。

弁護士の仕事では、過去の証拠を集めることが非常に重要です。しかし、過去を忘れて、将来の信頼を獲得する光武帝のようなやり方は、勉強になります。でもこういうのは難しいですね。ダメな人がすると、甘く見られただけで終わってしまいそうです。光武帝のような偉い人がすると、みんな心服しますけど。といった、偉い人の、ためになる話も後漢書に満載なんですが、今回はそういう話をしたいのではないのです。(だったら、長々と書くなよ!)

後漢書の中には、「逸民伝」なんて、世間に背を向けて暮らす変わり者の記録があります。こういうのが私の好みなんですね。たとえば、王覇という人がいます。役人になって立身出世するという当たり前の生き方を拒否して、当時の乱れた社会での出世を望まず、妻子とともに隠遁生活に入った人ですね。

そんな王覇のもとに、立身出世した友達が、息子を連れて訪ねてきます。友達の息子は身なりも立派で、言葉遣いも自信にあふれています。一方、王覇の息子は、着ているものもぼろですし、立ち居振る舞いも垢抜けていない。そこで、王覇の息子は、怖気づいてしまい、友達の息子と会話もできない。顔を真っ赤にして、隠れてしまう。それを見て、王覇は愕然とするわけです。自分の生き方は、間違っていたのではないかと考えて、寝込んでしまいます。

そういえば、現代日本でも似たような話しを聞いたことがあります。会社中心の生活は嫌だということで、就職しないで、夫婦で趣味を中心に、アルバイトなどで生活していた人の話しです。若いころはそれでよかったのですが、歳をとっても収入が増えず、生活が苦しい中、かつての友達は出世していく。最後には、精神的におかしくなってしまい、夫婦の関係も悪くなり、離婚までしたんだそうです。

一方、王覇の場合は、落ち込んでいる夫を、妻が励ましたと、後漢書に記載されています。「あなたは若いころか、お金や地位は目をくれずに、志を守って生きてきたではありませんか。この程度のことで、今になって昔の志を忘れることなどないでしょう。」奥さんのこの一言で、王覇は元気になって、そのまま隠遁生活をつづけたということです。

どんなに優れた人でも、かつて自分が決めた方針に対して、後になってからこれで良かったのかと、心が揺れることがあるんですね。当初の決意を忘れてしまい、取り乱した挙句に、信じられないような醜態をさらしたりするわけです。そういうときに、側にいる信頼できる人から、「あなたのした決断は正しかったんだ!」と言って貰えると、本当に助かるのです。

弁護士として、心が揺れている依頼者に対して、適切な助言ができれば良いなと思うのです。

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◇ 弁護士より一言
このコラムでは、うちの家族のことなど、よく書いています。ところが、妻に対する一言の場合、子供たちに対する一言と違って冷たいと、指摘を受けたんです。
別にそんなことではないんです。テレくさいだけです。
サラリーマンをしながら司法試験を受けたとき。顧客が一人もいない中、独立開業したとき。いつも妻には、信じて、励ましてもらいました。
この場を借りて、感謝の気持ちを伝えます!!

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