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判タ掲載藤井判事作成残業代請求事件の実務-はじめに

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平成24年 4月25日(水):初稿
○判例タイムズ1365号4頁以下に前東京地裁民事36部判事(平成24年4月現在名古屋高裁金沢支部判事)藤井聖悟氏作成残業代請求事件の実務(上)が掲載されています。何事も実務経験が最高の参考書であり、各分野の参考書は、その分野の事件を数多く扱っている実務家作成のものが最も役立ちます。以下、この最も役立つと思われる藤井論文の備忘録です。

○はじめに
・残業代請求事件は労働審判・労働訴訟で増加傾向にある
弁護士業界がポスト多重債務事件としてその開拓に力を入れているとの噂もあります。確かに「残業代 弁護士」としてGoogle検索をかけると84万件も出て来て、「交通事故 弁護士」の場合の190万件の半分近くになっています。しかし、その84万件の関連サイトは残業代請求のニュース等が多く、弁護士の宣伝サイトはさほど多いとは思えません。むしろ司法書士、行政書士のサイトが多いようにも感じます。交通事故については、専門化弁護士が山のように増えており、最近、当事務所への交通事故事件問合せが減っているのが頷けます。

・残業代請求には労働法規・解釈上のルールがあり、裁判例・解釈論も多岐に渡り、ルールに依拠した主張・立証が重要
しかし、実際に提起される訴訟にはそのルールを踏まえていない,理解不十分なものも多く、裁判所の指摘を受けて大幅に軌道修正を余儀なくされる場合もあり、更に、実務では参考文献に掲載されていない論点も出てくる。
 実務家は、以下の参考文献に当たり、基礎知識、基本的ルール、主要な争点についての裁判例等を共通認識として理解しておく必要がある。

 参考文献としては、山口幸雄ほか編『労働事件審理ノート(第3版)』「第7章時間外手当請求事件」渡辺弘『労働関係訴訟』「第8章時間外手当」がその主要な論点を明らかにしているが、更に以下の参考文献を掲載。
菅野和男「労働法(第9版)」(弘文堂2010)
土田道夫「労働契約法」(有斐閣2008)
荒木尚志「労働法」(有斐閣2009)
水町勇一郎「労働法(第3版)」(有斐閣2010)
「時間外手当請求事件」山口幸雄ほか編『労働事件審理ノート(第3版)』(判例タイムズ社2001)
「時間外手当」渡辺弘『リーガル・プログレッシブ・シリーズ(9)労働関係訴訟』(世林書院2010)
最高裁事務総局行政局監「労働関係民事裁判例概観(2)、(3)」(法曹会2000,2001)
安西愈「労働時間・休日・休暇の法律実務(全訂7版)」(中央経済社2010)





・実際の訴訟において、残業代の計算に当たり、労働法規に則った表計算ソフトを利用すること、処分権主義及び弁論主義を活用して、枝葉末節の論点を落とし、主たる争点を絞り込んでいくことが有益

・残業代請求事件は、判決となると手間・時間がかかり、硬直的な結論となって、具体的妥当性に疑問が残る場合もあり、実際、大半の事件が具体的妥当性を追求した和解による解決をみており、迅速かつ実効的な解決を図るためには、訴訟提起前後を通じて、和解的な解決を念頭に置く必要がある。




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