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婚約中の貞操義務に関する昭和52年地裁・昭和53年高裁判例まとめ2

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平成26年 1月14日:初稿
○「婚約中の貞操義務に関する昭和52年地裁・昭和53年高裁判例まとめ1」を続けます。
離婚歴あるA女は結婚相談室の紹介で昭和48年7月、妻と死別し2人の子供の居るXと見合いし、昭和49年4月に婚約し、同年7月に結婚しました。ところがAは昭和43年8月から勤務先上司Yと愛人関係を継続しており、Xと結婚が決まりつつある昭和49年2月にYに関係清算を願いました。しかしYはこれを拒否し、逆にAとXの結婚に猛反対して、A・Xの婚約を知った後もYとの関係発覚を怖れるAの弱みに乗じて関係を求め続け、昭和49年4月中に3回性関係を持ちます。

○このAとXの婚約を知った後にYがAと3回性関係を持ったことがXに対する不法行為になるかどうかが争いになり、一審は、「婚約当事者が互に相手方に対し婚姻当事者(夫婦)と同様の貞操義務を負つているとは解されない」として否定しYのXに対する脅迫的言動に対し5万円の慰謝料支払義務を認めたところ、二審は「婚約当事者は互いに誠意をもつて交際し、婚姻を成立させるよう努力すべき義務があり(この意味では貞操を守る義務をも負つている。)」、「Yは、Aと共同してXが婚約に基づいて得たAと誠実に交際をした後婚姻し、終生夫婦として共同生活をすることを期待すべき地位を違法に侵害したものであるから、Xに対し不法行為による損害賠償義務を免れない」として50万円の慰謝料支払義務を認めました。

○XのYに対する当初請求額は金500万円ですから、Xとしては二審の金50万円の判決には納得したかどうかは疑問です。一、二審の弁護士費用等を考慮すればこの裁判事件でXの手元に残った実際回収額はごく僅かと思われます。Xは、昭和50年4月にYに対し慰謝料請求調停申立をして不調となった後に本件訴えを提起し、昭和52年8月に一審判決、昭和53年10月に二審判決を受け確定していますので、調停申立から実に3年6ヶ月間Yとの争いに費やし、その間Aの証人尋問、Xの本人質問等が繰り返されています。

○3年6ヶ月の係争の末、かかった弁護士費用等を考慮すると殆ど手元に慰謝料金額を確保することは出来ない結果は、コスト的に見ると正に「骨折り損の草臥れ儲け」でした。憎っくきYを法廷に引き出して真実を明らかにしたこと、不法行為を司法判断で認められたことに意義を見出すのであれば、訴え提起と3年6ヶ月の法廷闘争も意味があります。しかしその間、Aは法廷で真実を述べる過酷な義務を課され、Aとの間の溝が深くなり、Xの家庭での苦悩が却って深まったのではとも思われます。

○Xは、「一時はAとの婚姻関係を解消することをも考えたが、二人の子供を含めた家庭の事情などからこれを決めかね」たままこの裁判は終結し、Aと離婚には至っていません。Xとしては、Aとの円満な結婚生活を望むのであれば、YがAとの関係を強く否認し、告訴するとまで脅したときに、後は見て見ぬ振りを通してAに対する追及も一切止めるべきでした。しかし、人間、込み上げる疑惑と憎悪の感情を割り切ることは、正に「言うは易く行うは難し」の典型です。

○Xは、「やはりAらの態度に釈然としないものを感じ、同女に問い質し」続け、ついに告白を得て強い精神的打撃を受け、せめて「Aとの婚約成立後の情交関係についての謝罪」して欲しいとYに求め続けるも、Yは拒否し続け、調停・裁判となりました。このような状況でXから、相談を受けたら私の場合、Aが信じられずAと結婚生活を継続する自信がないならAと離婚してケジメを付けてその上でAとY両者相手に慰謝料請求すべきで、Aを信じてAとの結婚生活を維持したいなら、Yについては「バカは相手にしない」とAとYとの問題は一切水に流すとの、強い「割り切り」が必要とアドバイスします。この「割り切り」は至難の業ですが(^^;)。
以上:1,572文字

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