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面会交流間接強制決定を得る要件についての重要判例3件のまとめ

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平成25年 9月25日:初稿
○離婚事件で最も熾烈な争点になるのは子の親権者争いです。お互い、相手がとくと嫌になり、離婚は認めても子供は絶対に渡さないと争いになります。但し、離婚したくないばかりに、子供を渡さないと頑張る例もあり、その見極めが重要な場合もあります。当事務所でも常時離婚事件は扱っていますが、子供の親権者争いが熾烈な例も相当数ありました。

○調停で面会交流の定めをしたのに会わせてくれない相談も結構ありますが、私自身の考え方もあり、まだ、面会交流拒否に対し間接強制申立をした経験はありません。しかし、相手方憎しで、面会交流について厳しい条件を要求する例もあり、これからは、間接強制強制申立も考慮しなければならない事例が増えそうな予感もします。

○この面会交流について間接強制決定を得る要件についての最重要最高裁判決が平成25年3月28日に立て続けに3件でました。いずれも間接強制決定を認める抽象的要件は同じで、次の通りです。
 監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判或いは面会交流をすることを定める調停が成立した場合において,面会交流の日時又は頻度,各回の面会交流時間の長さ,子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合は,上記審判に基づき監護親に対し間接強制決定をすることができると解するのが相当である。

○問題は、この「面会交流の日時又は頻度,各回の面会交流時間の長さ,子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合」の具体的文言です。
「特定に欠けることがない」とされた「平成25年(許)41号事件」の原審別紙面会交流要領は次の通りです。
①面会交流の日程等について,月1回,毎月第2土曜日の午前10時から午後4時までとし,場所は,長女の福祉を考慮して相手方自宅以外の相手方が定めた場所とすること,
②面会交流の方法として,長女の受渡場所は,抗告人自宅以外の場所とし,当事者間で協議して定めるが,協議が調わないときは,JR甲駅東口改札付近とすること,抗告人は,面会交流開始時に,受渡場所において長女を相手方に引き渡し,相手方は,面会交流終了時に,受渡場所において長女を抗告人に引き渡すこと,抗告人は,長女を引き渡す場面のほかは,相手方と長女の面会交流には立ち会わないこと,
③長女の病気などやむを得ない事情により上記①の日程で面会交流を実施できない場合は,相手方と抗告人は,長女の福祉を考慮して代替日を決めること,
④抗告人は,相手方が長女の入学式,卒業式,運動会等の学校行事(父兄参観日を除く。)に参列することを妨げてはならないこと


○これに対し、「特定に欠ける」として面会交流間接強制決定ができないとされた事案の面会交流条件は次の通りです。
平24(許)41号事件
相手方に対し,抗告人と長男及び二男が,1箇月に2回,土曜日又は日曜日に,1回につき6時間面会交流をすることを許さなければならないなどとする

平24(許)47号事件
ア 相手方は,抗告人に対し,長男と,2箇月に1回程度,原則として第3土曜日の翌日に,半日程度(原則として午前11時から午後5時まで)面接をすることを認める。ただし,最初は1時間程度から始めることとし,長男の様子を見ながら徐々に時間を延ばすこととする。
イ 相手方は,前項に定める面接の開始時にa県b市のc通りの喫茶店の前で長男を抗告人に会わせ,抗告人は終了時間に同場所において長男を相手方に引き渡すことを当面の原則とする。ただし,面接交渉の具体的な日時,場所,方法等は,子の福祉に慎重に配慮して,抗告人と相手方間で協議して定める。
ウ 抗告人と相手方は,上記アに基づく1回目の面接交渉を,平成22年1月末日までに行うこととする。
エ 抗告人と相手方は,二男については,将来的に長男と同様の面接交渉ができるようになることを目標にして,面接交渉の是非,方法等について協議する。なお,この協議は,本調停成立日の1年後を目安として始め,その後は二男の成長に配慮しながら適宜行い,双方は,二男の面接交渉の開始に向けて真摯に協力することとする


○41号事件の面会交流条件は、抽象的で特定されていないのは判りますが、47号事件は、面会頻度、時間、引渡場所・方法について相当程度特定されていると思われます。しかし、最高裁は、「本件調停調書は,抗告人と長男との面会交流の大枠を定め,その具体的な内容は,抗告人と相手方との協議で定めることを予定しているものといえる。そうすると,本件調停調書においては,相手方がすべき給付が十分に特定されているとはいえない」として間接強制決定を否定しています。

○これに対し、48号事件での引渡方法の定めは、「抗告人は,面会交流開始時に,受渡場所において長女を相手方に引き渡し,相手方は,面会交流終了時に,受渡場所において長女を抗告人に引き渡すこと」として特定が認められています。どこが違うのか疑問もありますが、兎に角、これからは、48号事件での面会交流条件を参考にして、これと同程度の特定をしなければ、最終的に間接強制での面会交流実現ができないことをシッカリと認識する必要があります。


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