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前訴確定後8ヶ月後提起二回目有責配偶者離婚請求認容例紹介2

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平成25年 6月30日:初稿
○「前訴確定後8ヶ月後提起二回目有責配偶者離婚請求認容例紹介1」を続けます。
 今回は、裁判所の判断を2回に分けて紹介します。

○当HPは、平成25年6月28日現在で3826頁もあり、中身は「事務所」から「法律その他」まで14大分類に、各大分類の中の「中分類」は、181項目に渡って、その内容も多種多様です。毎日更新を始めたのが平成16年8月1日からで平成25年8月1日で丸9年に及びます。
と、弁解して、平成25年6月29日付更新情報で当初紹介した大阪高裁判例は、「有責配偶者の離婚請求を認めた大阪高裁判例紹介1」以下で既に紹介済みであったことを告白します。平成23年11月の記事ですから、僅か1年7ヶ月前に書いた記事でした。どうやら私の若年性痴呆症が進行しているようです(^^;)。

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第3 当裁判所の判断
1 本件については、前訴判決が確定したこと(前記1(13))により、その口頭弁論終結時点における原告の離婚権の不存在は既判力によって確定されている。一般に確定判決に示された判断と抵触するおそれのある事案についての審理及び判断は、前訴判決の口頭弁論終結時までに主張し又は主張し得た事情は前訴確定判決の既判力によって遮断されることから、口頭弁論終結後に新たな事情が生起したか否かを審理の対象とし、そのような事情が存する場合には、前訴確定判決の判断と併せて訴訟物たる権利関係の存否を判断すべきこととなる。

2 そこでまず、離婚原因について検討するに、前訴判決は、別居期間が前訴口頭弁論終結時まで通算して約6年に及んでいること、原告が別の女性(乙川二子を指すものと解される。)と結婚を前提とした同棲生活を送っていることなどに照らすと、原告と被告との夫婦関係は、原告の不貞行為が原因で完全に破綻しており、民法770条一項五号の離婚事由があると認定している。

 当裁判所もこの判断を維持すべきものと考える。すなわち、本件全証拠を精査しても、前訴判決における口頭弁論終結後以後の事情で、その婚姻関係が改善ないし修復されたことを裏付ける事情は全く存在しないばかりでなく、前記認定事実によれば、むしろ原告と被告との信頼関係は更に著しく損なわれている様子が窺えるのであって、加えて、原告が被告の何らかの反応がみられることを期待して行った養育費等の減額送金に対しては、子供が原告を非難する内容の電子メールを送信してきたのは被告が子供を巻き込んでいるのではないかとの考えを原告が抱くに至っていることは、原告が被告に対して募らせている不信感の大きさを物語っているものというべきであって、これに対して、被告は原告がそのような不信感を抱いていることを知りながら何ら反応せず、自ら原告との対話の扉を開こうとしていないのである。

 このような事情に照らせば、原告と被告との婚姻関係は既に破綻しており、これを継続し難い重大な事由があることは明白である。

3 次に、本件は有責配偶者である原告からなされた離婚請求であるから、前訴判決の口頭弁論終結後の事情を斟酌した上で、信義則に照らしてなお容認され得ない特段の事情が存在するかについて検討しなければならない。

(1) いわゆる有責配偶者からの離婚請求の当否についての判断は、認定される具体的事情を総合しつつ信義則に照らしてなされるものであるから、それは口頭弁論終結後の新たな事情のみをもって前訴判決が覆され得べきものか否かを審理及び判断するのではなく、前訴判決で認定判断された事情に口頭弁論終結後の新たな事情を加えた上で信義則に照らしてなお許されないというべきか否かその許否を判断すべきである。したがって、本件における審理判断の在り方としては、単に前訴判決で確定されている訴訟物が本件と同一の民法770条一項五号の事由であることをもって直ちに遮断効ないし一事不再理によって本件請求の適否が影響されるものと即断すべきではない(かかる意味において、被告が主張する一事不再理、別訴提起禁止及び権利濫用の各抗弁はいずれも採用しない。)。

(2) そこで前訴判決が認定した要因を挙示するに、同判決は、離婚請求を是認する方向に働く要因として、原告と被告との別居期間が通算して約6年に及んでいること、原告は、被告に対し、別居当初から約4年間は収入の大部分を渡し、調停成立後は婚姻費用として年額480万円を支払い、子供の学資保険として月額4万8580円を負担していること(ただし、原告はこの婚姻費用の支払を平成13年1月から年額360万円に減額する旨の通知をしている。)、二女が成人に達するまで、被告と子供二人がマンションに無償で居住することを認めていること、二人の子供との面接交渉についてもそれなりに配慮し、父親としての関係を継続する努力を続けていること、以上の事実を認定した。

 しかし、他方において、原告は自らの不貞行為を反省することなくこれを継続し、破綻の原因はもっぱら原告にあるというべきであり、これによって被告が被った精神的苦痛はきわめて大きいものと推認されるのに、原告は、離婚を請求するについて、被告に対し、慰謝料等の支払についての具体的で誠意があると認められる提案をしたことはないこと、被告は、現在も原告との婚姻関係を解消する意思を有していない上、被告と原告との間には、未成熟の子供である長女と次女がいるが、いずれも成長のためには父親として原告が最も必要な年代であるから、被告と原告が離婚した場合に子供らに与える影響ははかり知れず、子供の福祉の観点からしてこれを軽視することは許されないこと、以上の事情を認定して、前訴判決は、原告の離婚請求は信義則に照らして許容されないと判断した。

(3) 次に、前訴判決の口頭弁論終結後の事情についてあらためて挙示するに、前記認定のとおり、その後原告と被告との別居期間は8年を超え更に長期に及んでいること、原告は、一貫して、毎月一人当たり15万円(3、7、12月は各10万円を加算した合計50万円)の養育費及び慰謝料300万円の支払を内容とする離婚条件を提示しており、その養育費の金額は沖縄県の所得水準等に照らし決して低額ではなく、むしろ被告を含む生活費そのものとしても十分なものであって、慰謝料の水準としても低すぎて不当ということはないと考えられること、さきに成立した婚姻費用分担調停の内容については、やや安定さを欠くもののほぼ履行を継続しており、相応の経済的負担をしてきていること、原告は被告の夫として同居して婚姻関係を継続することは困難であるが、未成熟の子らの幸せを願う父親として精一杯の誠意を尽くして努力していきたいとしており(原告本人)、何らかの接点を持つべく努力している様子が窺われること、そして、原告は丙市在住の実親の下で父の眼科医院にて眼科医として父を助けて診療にあたり、内縁の相手方である乙川二子も原告の事実上の妻として原告の両親に迎え入れられ、原告と乙川二子との間には子が出生しているのであって、前訴判決当時とは異なる生活関係が既に安定した状態にて形成されていることが認められる。


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