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裁判上和解離婚に本人出頭は絶対に必要か?

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平成24年 7月 7日:初稿
○平成19年9月20日初稿の「家庭裁判所裁判官から弁護士代理人に望むこと」に「先日、今は遠隔地に居て調停に出頭できない依頼者の事件について、事前に代理人同士で調停条項をまとめて合意し、依頼者は出頭せず、代理人の私と相手方代理人、相手方本人で離婚調停を成立させようとしたら、本人が来ないと離婚調停は出来ませんと言われて恥をかきました。急遽、離婚条項を協議離婚するとし、その他の養育費等の給付条項は協議離婚成立を停止条件とする内容に書き換え調停を成立させたことがあります。」と記載していました。
 今回は、家裁での調停離婚と、訴訟手続での和解と本人出頭の関係を整理します。

○離婚調停で本人が出頭しなければならず、その根拠法令は以下の条文によります。
家事審判規則第5条
 事件の関係人は、自身出頭しなければならない。但し、やむを得ない事由があるときは、代理人を出頭させ、又は補佐人とともに出頭することができる。
2 弁護士でない者が前項の代理人又は補佐人となるには、家庭裁判所の許可を受けなければならない。
3 家庭裁判所は、何時でも、前項の許可を取り消すことができる。

家事事件手続法第3編 家事調停に関する手続
第268条(調停の成立及び効力)
 調停において当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、その記載は、確定判決(別表第2に掲げる事項にあっては、確定した第39条の規定による審判)と同一の効力を有する。
  (中略)
第270条(調停条項案の書面による受諾)
 当事者が遠隔の地に居住していることその他の事由により出頭することが困難であると認められる場合において、その当事者があらかじめ調停委員会(裁判官のみで家事調停の手続を行う場合にあっては、その裁判官。次条及び第272条第1項において同じ。)から提示された調停条項案を受諾する旨の書面を提出し、他の当事者が家事調停の手続の期日に出頭して当該調停条項案を受諾したときは、当事者間に合意が成立したものとみなす。
2 前項の規定は、離婚又は離縁についての調停事件については、適用しない。


 上記の通り、離婚調停は、成立以前の調停条件協議時は弁護士だけの出頭だけでも構わないのですが、成立時には本人が出頭しなければなりません。

○調停不成立で離婚訴訟となった場合、訴訟での和解離婚は、平成15年以前の旧人事訴訟法時代は、地方裁判所管轄で、訴訟上の和解で直ちに離婚の効果を発生させることは認められず、協議離婚するとの和解しかできず、別途当事者が協議離婚届出を提出して初めて離婚が成立するとされていました。しかし平成16年施行新人事訴訟法では、管轄が地裁から家裁に移行し、直ちに離婚の効力を発生させる訴訟上和解離婚が認められました。以下の条文です。
人事訴訟法第3節 和解並びに請求の放棄及び認諾
 第37条 離婚の訴えに係る訴訟における和解(これにより離婚がされるものに限る。以下この条において同じ。)並びに請求の放棄及び認諾については、第19条第2項の規定にかかわらず、民事訴訟法第266条(第2項中請求の認諾に関する部分を除く。)及び第267条の規定を適用する。ただし、請求の認諾については、第32条第1項の附帯処分についての裁判又は同条第3項の親権者の指定についての裁判をすることを要しない場合に限る。
2 離婚の訴えに係る訴訟においては、民事訴訟法第264条及び第265条の規定による和解をすることができない。
3 離婚の訴えに係る訴訟における民事訴訟法第170条第3項の期日においては、同条第4項の当事者は、和解及び請求の認諾をすることができない。


○問題は、訴訟上和解離婚に、調停離婚と同様に、当事者の出頭が必須かどうかです。
上記人事訴訟法第37条及び準用する条文を精査しても、必ず本人出頭が必要かどうかは明らかではありません。数少ない人事訴訟法解説書の一つ日本加除出版「改訂人事訴訟法概説」34頁には、新人事訴訟法立法過程で離婚の「和解において当事者本人の出頭義務を明記すべきかどうかについても検討されたが、離婚を話し合いにより解決するための手続である以上、本人による意思確認が必要であることは実体法上の要請であるとして、手続法においてこの点を明記することはせず、」と解説されています。

○この点に関し、東京弁護士会弁護士研修センター運営委員会編平成17年度専門弁護士養成連続講座「家族法」128頁には当時東京家裁判事水谷美穂子氏講演で訴訟上和解離婚について「誤解のないようにお願いしたいのは、訴状代理人のついておられるケースでも、和解成立時には代理人だけでなく、からなず当事者ご本人の出席が必要だと言うことです。(中略)条文に明記されているわけではありませんが、和解成立時点での意思の合致を直接確認するため実務上の要請です。」と説明されています。

○この考え方に対し、上記「改訂人事訴訟法概説」329頁では「病気等により出頭が困難な場合も予想されるから、不出頭につき相当な理由がある場合には、当事者本人不出頭のままで訴訟上の和解を成立させることもゆるされるのではないか。この問題については、当事者の意思確認の方法の問題も含めて、なお検討してみる必要があろう。」と解説されており、私自身としては、杓子定規に本人出頭絶対必要とするよりこの考えの方が合理的と思っております。先日、仙台家裁での訴訟上和解離婚で出頭出来ない当事者について携帯電話での意思確認で成立させた例がありました。今の時代、意思確認方法は色々あるので「直接出頭」にこだわる必要はありません。
以上:2,302文字

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