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第7章商標権侵害訴訟4-森山博

平成17年 6月24日:初稿
2 被告の主張・立証
(1)商標権の成立及び範囲に関する主張
・その構成要件(2条)登録要件(3条,4条)の存否を争う
判例 無効原因が存在することが明らかな特許権に基づく差し止め,損害賠償の請求は権利濫用に該当する(権利濫用の抗弁)
・被告の商標の使用が原告の商標権の範囲に属しないことについて反論,反証を行う
(2)商標法26条に該当する使用
原告の登録商標自体に無効の事由が存在しなくとも,被告の商標の使用が本条に該当する場合。
例)果実を指定商品とした「かひ」という登録商標
ぶどうについては及ばない
(3)商標の使用方法に関する主張
被告の商標の使用方法・使用形態などから物の意匠として用いられ,或いは意匠として機能する場合,「商標の使用」といえるか
判例 意匠と商標は排他的,択一的な関係にあるのではなく,意匠となりうる模様であっても,自他識別機能を有する標章として使用される限り,商標としての使用にあたる
ルイ・ヴィトン図柄事件,ポパイ事件
(4)抗弁事由の主張
(a) 先使用権の主張(32条1項)
一定の条件の下において使用主義的考え方を入れた。
① 他人の登録商標の出願前から,日本国内において登録商標と同一又は類似の標章を出願にかかる指定商品と同一又は類似の商品について使用していること
従前作成されたこれらの書類を証拠として出す
② 登録商標の出願前から,不正競争の目的でなく使用していたこと
「不正競争の目的」営業上の競争をする意図が必要か
判例 必要 学説 不要
③ 登録商標出願の際に,先使用権を主張する者の標章がその者の業務にかかわる商品を表示するものとして需要者間に「広く認識されている」こと
・日本国内の相当広い地域で知られる必要があるが,必ずしもが全国的に使用されている必要はない
・商品の性質や取引形態によっては,最終消費者に広く知られている必要はなく,特定の範囲の取引者,需要者に周知であればよい
・周知性は,4条1項10号の「広く認識されている」より低くてよい(下級審判例)
・周知性の立証は間接的に行うことが多い
④ 継続してその商品について商標を使用していること
一時中断しても,使用者の意思に基づかない場合,経済事情その他からやむを得ない事由がある場合は,継続していたものとみなされる
業務承継者,のれん分けも○
使用が許されるのは,現に使用している商標及び商品または役務と同一性を有する範囲であり,類似にまでは及ばない
先使用権者に混同を防ぐのに適当な表示を附すべきことを請求できる(32条2項)
(b) 中用権(33条)
商標が過誤により登録され,有効なものと信じて使用した結果,識別標章として需要者の間で広く認識されるに至ったとき,後に無効審判が確定しても,一定の範囲で商標の使用継続を認める
① 相抵触する登録商標が2つ以上存在していて,その1つが46条1項の無効審判によって無効となるか或いは登録商標が無効とされた後にこれと抵触する商標が正当な権利者の商標として登録されること
侵害訴訟提起→無効審判申立
無効審判確定後→侵害訴訟提起
② 無効となった商標について商標権,専用使用権または登録されたことによってこれらの権利に対抗できる通常実施権を有する者が当該商標を無効事由に該当することを知らずに使用していたこと
③ 無効となった商標が無効審判請求の予告登録前に使用によって使用者の業務にかかる商品を表示するものとして需要者間において周知になっていること
予告登録(商標登録令2条準用,特許登録令3条1号)
予告登録後に周知になったものまで保護する必要性はない
専用使用権者や通常使用者についても中用権が認められる
④ 無効審判の予告登録後も引き続き使用を継続していること
やむを得ざる一時中断,使用の承継は先使用権と同じ
中用権は先使用権と同じく,類似の商標や類似の商品または役務には及ばない
33条3項 32条2項と同じ
32条2項 先使用権と異なり,請求があれば相当の対価を支払わなければならない
(c) 特許権等の存続期間満了後の商標の使用をする権利
平成8年改正 立体商標制度導入
特許権に基づく特許発明の実施による商品の形状が立体商標登録にかかわる商品の形状と同一または類似の関係に立ち,両者が抵触した場合,特許権者は自己の特許発明を実施できる(29条)
特許権が存続期間満了後も商標権と抵触する形状の商品を製造・販売することができる(33条の2第1項)
実用新案権または意匠権の存続期間満了後も準用される(33条の2代3項)
(
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