仙台,弁護士,小松亀一,法律事務所,宮城県,交通事故,債務整理,離婚,相続

旧TOPホーム > 知財法等 > 実務解説「知的財産権訴訟」  >    

第7章商標権侵害訴訟1-森山博

平成17年 6月24日:初稿
第1節 商標権の成立
1 商標の概念
? 自己の業務にかかる商品又は役務について商標を使用する者は,その商標について商標登録を受ける権利を有する(3条1項)。
登録主義(出願された商標が現に使用されているか問わない)と使用主義(現に使用されていることを登録要件とする)的修正(50条,不使用取消の審判請求),使用の意思も可能性もない商標T登録できない。
? 商品商標と役務商標(サ-ビスマ-ク)
構成要素○a文字 ○b 図形 ○c記号 ○d立体的形状 ○e結合
○f色彩(2条本文)
自他識別機能,出所表示機能,品質保証機能,広告宣伝機能
? 使用の概念
(a) 商品への使用
「業として商品を生産し加工し証明し又は譲渡する者」…生産者,加工業業者,検査業者,販売業者
「その商品について使用する」(2条1項)
「使用」とは2条3項各号
1号 標章を付する行為,全面に意匠的に使用。
ワンポイントマーク?
販売促進用物品は商品か?
判例 原則として該当しない。
それ自体に交換価値があり独立して商取引の対象とする場合は該当する。
顧客の注文により持ち帰り用の有償で提供される料理折詰×
宴会料理の残り物を入れた折詰 ×
テイクアウト・スタイルの食品,包装 ○
店舗内で費消される飲食物自体 ×
商品券 ○
不動産,分譲マンション ○
2号 標章を付したものを譲渡,引渡,そのために展示又は輸入し,電気通信回線で提供する行為
輸出は引渡に該当
8号 広告,定価表又は取引書類に標章を付して展示又は頒布する行為
商品に関する広告…販促品,宣伝広告品
(b) 役務への使用
「業として役務を提供し,または証明する者がその役務について使用する」
3号 役務を受ける者の利用に供する物に標章を付する行為
レストランでの食器(食器で食事を提供する行為は4号),タクシ-,ホテルの寝具,浴衣
4号 標章を付した物を用いて役務を提供する行為
5号 標章を付した物を展示する行為
6号 役務の提供にかかる物に標章を付する行為
クリ-ニングした被服を標章の入った袋に入れ返送する
8号 役務に関する広告,定価表示又は取引書類に標章を付して展示又は頒布する行為
(c) 使用概念の平成14年法改正
ネットワ-ク時代の商品や役務の取引状況にあわせ「使用」概念を拡大
7号 電磁的方法により行う映像面を介した役務の提供にあたり,その映像面に標章を表示して役務を提供する行為
8号に付加,頒布し「又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」
2 登録主義と登録要件
? 登録主義の原則
商標権は,商標の設定登録により発生する(18条)
最先出願者優先主義
最先の出願者に排他的・独占的な商標権を設定する。
登録主義の修正
不使用商標の取消50条,先使用権32条,中用権33条,
周知商標等の保護4条1項10号,15号
? 商標の登録要件
《積極的要件》3条1項各号,2項…商標として識別力がないことが理由
① 需要者が何人かの業務にかかる商標であることを認識できる商標である
6号 商標の自他識別力に関する総括規定
1号~5号 自他識別力のない商標及び性質上独占使用させることが適当でない商標を列挙
例 被服 トウキョウグット
版画 高見沢版画
パン 松月堂パン
味乃一番 たっぷりカリフォルニア太陽の味
② 普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標でないこと
1号 特定商品をあらわす商標が普通名称化したもの
普通名称化の認定 つゆのもと事件
「普通に用いられる」とは,普通に用いられる形態,用法で使用することを要する。
極端に図案化した場合 ×
③ 慣用されている商標でないこと 2号
取引界において広く使用され,商品間に区別するための識別力を有しない商標 福井市を中心とする地域 「羽二重餅」
④ その商品の産地,販売地,品質,原材料,効能,用途,数量,形状,価格もしくは生産,加工もしくは使用の方法もしくは時期を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標でないこと(3号前段)あるいは,役務の提供の場所,質,提供の用に供する物・効能・用途・数量・態様,価格もしくは提供の方法もしくは時期を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる標章 3号後段
一般的に使用されることが多い,自由な使用を許されなければならない。
記述的標章
「産地,販売地」については,商品についてその産地,販売地として誤認を生ずるおそれがなければならない。ワイキキ事件
⑤ ありふれた氏名又は名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標でないこと
略称として使用されるときに自他識別力があるとして,登録が認められている例「東レ」「NISSUI」
⑥ 極めて簡単でありふれた標章のみからなる商標でないこと 5号
⑦ 使用による識別性
前記④~⑥に該当しても,使用された結果,需要者が何人かの業務にかかる商品であることを認識することができるものについては登録できる 3条2項
需要者が相当期間使用された結果,特定人の業務にかかる商品を表示するものと認識していること
以上:2,444文字

タイトル
お名前
email
ご感想
ご確認 上記内容で送信する(要チェック
※大変恐縮ながら具体的事件のメール相談は実施しておりません。

 


旧TOPホーム > 知財法等 > 実務解説「知的財産権訴訟」  > 第7章商標権侵害訴訟1-森山博