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第4章特許権侵害訴訟2担当(我妻)

平成17年 5月16日:初稿
第2 特許出願・審査の手続の概要
1 特許登録要件
 (1)客体的要件
 ①産業上の利用可能性(法29条1項柱書)

  ・ビンゴゲーム事件(東京高判昭31・12・15行裁集7・12・3133)・・肯定
  ・錦鯉の飼育方法に関する事件(東京高判平2・2・13判時1348・139)・・肯定
  ・医療業や治療方法は否定される。治療機械は肯定される。
   医療行為が特許の対象とならないのは,倫理,人道上の理由による。

 ②新規性(法29条1項1号―3号)
  ・非公知
  ・非公用
  ・刊行物記載がないこと

 ③進歩性(法29条2項)
  ・非容易想到性
  ・「新規性」も「進歩性」もある発明とは,「これまで誰も考えつかなかった発明で,そう簡単に考えつかない発明」
  ・進歩性の判定基準は,特許出願時点であり,当業者を基準とする。
  ・判定資料は,公知,公用,刊行物,インターネット開示発明の公知技術に基づく。

(2)主体的要件
 ①権利能力を有すること
 ②特許を受ける権利を有すること
 ③先願者であること(法9条1項)

(3)ノウハウと特許化の選択基準
   ・特許を受けるべきか,ノウハウとして秘密にしておくべきか。

2 出願手続の概要
 (1)特許登録出願(法36条2項)

  ・書面主義・・願書の提出
         ①明細書,②必要な図面,③要約書
  ・特許出願・・1発明1出願の原則

 (2)審査
  ①方式審査
  ②出願公開と出願審査請求(補償金請求権)
   出願公開・・出願日より一定期間(1年6ヶ月)経過後に特許出願の内容の全文を公報に掲載して公表する制度。   
   補償金請求権・・出願公開後に,出願の内容を知って,業としてそれを実施した者に対して,実施料相当額を請求しうる権利
           ~あらかじめ発明内容を記載した書面で「警告」しておく必要がある。

③実体審査・・実質的要件を欠く場合は,拒絶査定。

 (3)査定
  ①拒絶査定
  ②特許査定
   ※指定期間内に意見書を提出。
    通常は何回も補正させられる。

3 審判
  審査官の処分に対する不服申立を特許庁審判官(合議体)によって再審理する。
 ①拒絶査定不服審判
 ②訂正審判
 ③特許無効の審判
 ④存続期間延長登録の無効審判
   ※①②は査定系審判,③④は,当事者系審判

4 審決取消訴訟
  すべての審決について,その適法性判断のために,東京高等裁判所を専属管轄として訴訟を提起できる。
  出訴期間・・審決送達日から30日以内

第3 当事者の主張・立証
1 原告の主張・立証
 (1)差止訴訟

①原告が特許権者または専用実施権者であること(特許権の存在)
②被告が侵害行為を行っていること

(2)損害賠償
 ③侵害者に故意過失があること
 ④損害の発生
 ⑤侵害行為と損害との因果関係
 ⑥損害額

(3)分説
  ①原告が特許権者または専用実施権者であること(特許権の存在)

   ・特許登録原簿の謄本または写しで立証―発明協会等を通じて取寄せ  
 ・補正,訂正がある場合・・特許公報―インターネット
 ・特許の内容は,「構成要件」と「作用効果」
 ・(技術的範囲の属否の考え方)-構成要件説
                 作用効果説
   ※発明の同一性の判断は,構成要件と作用効果の双方から判断するとの考え方が一般的である。

②被告が侵害行為を行っていること
  ア 間接侵害・・物の生産のみに使用する物を生産,譲渡等をする行為は間接侵害となる(法101条)。
  イ 侵害の意義
   ・文言侵害・・用語の意味内容を過不足なく合理的に確定して同一性がある場合
   ・均等侵害・・用語の意味内容に一部ずれがあっても,最高裁が示した均等要件を充足する場合
  ウ 特許請求の範囲の解釈
  ⅰ 明細書の記載自体
   ⅱ 出願当時の技術水準(公知資料)
・出願当時の公知技術と特許とを比べて,特許の中に公知技術が含まれている場合には,特許が付与されたこと自体が誤っていることになる→以前は権利濫用として特許権者の請求を棄却していた。

・ 平成15年法改正・・法104条の3
   ⅲ 出願から登録査定までの経過(包袋資料)

    ・包袋禁反言・・出願人又は特許権者が出願の過程において特許を得るために,あるいは特許登録後の無効審判や審決取消訴訟において表明した事項について,後にこれに反する主張を許さないとするもの

   ⅳ 利用発明(72条)
 

以上:1,825文字

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