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著作権の制限のポイントと利用許諾取得法

平成17年 5月13日:初稿 平成17年 7月12日:更新
○著作権の話を続けます。
著作者は、著作物について○○する権利を専有し、著作者以外は原則として○○する権利を使うことが出来ません。
しかしこれはあくまで原則であり、例外があります。例外が認められるのは、著作物の「公正な利用目的」を達成する場合です。

○例外の第1は平成17年5月12日更新情報で記載した「私的使用」です。これは世の中では氾濫しています。これは、「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」ですが、これが認められるのは、この程度の使用であれば著作者の経済的利益が害されないと言うことに尽きます。

○私的使用の典型例は、TV、ラジオ番組からDVDやCDに録音・録画することです。
実際例としては、昨日記載した自己所有CDからコピーしたMDの交換、著作の一部のコピーを勉強会レジュメとして使用、著作の一部をコピーして業務で使用する場合等がありますが、いずれも問題があります。

○例外の第2は、「図書館における複製」です。これは図書館の公共奉仕的機能と学術研究進歩発展への寄与を考慮して認められているもので、要件は厳格に定められています。

○例外の第3は「引用」ですが、これは先人の文化遺産を引き継ぐ著作物の性質と社会慣行から認められたもので、公正さが必要であり、①引用の必然性があること、②区別が明確であること、③主従の関係があること、④出所を明示することの4要件が必要です。
引用をめぐっては裁判例も多く、引用の際、対象著作物を改変し同一性保持権侵害が問題にされる場合もあります。

○例外の第4は学校教育におけるもので、①教科用図書への掲載、②学校向け放送番組、有線放送番組での放送、④教育担当者の授業使用目的での複製、⑤入学試験問題等への複製があります。
④教育担当者の授業使用目的での複製については、あくまで教育を担任する者がその授業で使うものであること、又著作権者の利益を不当に害さないことが必要です。
従って教育委員会が一括して複製して教師に使わせることや又市販のワークブック等教材を1冊だけ買ってクラス生徒数だけコピーして使うことも許されません。

○例外の第5は、障害者の著作物利用促進のためのもので、視覚障害者のために点字に複製すること、又聴覚障害者のために放送に字幕を付けることが出来るようになりました。

○例外の第6は、営利を目的としない上演等で関係者は全く利益を得ないのであれば、著作者の経済的利益の侵害もなく又著作物を公衆に伝える面を考慮して例外となりました。
しかし、関係者が営利目的無く実際無料で開催されるコンサート等でも良くJASRACと主催団体との営利性を巡って問題になるようです。
全て無料で行われている定禅寺ストリートジャズフェスティバルにもJASRACから著作権料支払請求がきて揉めたこともあるそうです。

○上演に対する鑑賞料金等直接の営利でなくても、自社の営業のためのいわば客寄せのための上演等も営利性を持ちますので注意が必要です。又企業内でCD等の音楽をバックグラウンドミュージックとして使用する場合も営利性があり、著作権料支払が必要です。有線放送等の音楽を流す場合は問題ありませんが。

○その他例外はまだまだありますが省略し、著作物使用の場合に許諾を得る実際例を検討します。
使用したい著作物の著作権者を知っている場合は、直接連絡して使用許諾契約を締結すればよいのですが、音楽や小説のように膨大な量の複製が出回っている場合、いちいち個別に利用許諾契約を締結することは不可能です。

○そこで著作権等管理事業法により文化庁長官の登録をした著作権等管理事業者が一括して著作物使用許諾等の事務を行っています。著作権等管理事業者の代表例が、音楽著作物上演等についての○名高いJASRACです。又書籍の複写(コピー)については、日本複写権センター(JRRC)が管理しています。

○例えば自分でHPを作ってあるコンテンツにお気に入りのミュージシャンのヒット曲CDから複製してBGMに使用する場合、HP掲載は「私的使用」に該当しませんので、著作者の許諾が必要です。この場合の許諾は、作曲者、演奏者、レコード製作者の3者から得る必要がありJASRACでの手続が必要です。
音楽曲をJASRACに関係なくHPに掲載できるのは作曲者死後50年経過し著作権が失われた曲で且つ自分で演奏するものです。

○講演等のレジュメとして他人の書籍の一部をコピーして配付する場合は事前に日本複写権センター(JRRC)等での許諾手続が必要である。他人の著作物をレジュメに使用する場合は、先ず自分でレジュメを作り、その中に「引用」としての要件を充たして使用する場合は許諾は不要です。

○要するに他人の著作物をそのまま利用する安易な方法は取らないで先ずは自分なりにレジュメを作りその補助として他人の著作物を利用する態度-私は他人のふんどしで相撲を取らない姿勢と呼びます-を持つべきと言うことでしょう。

以上:2,027文字

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