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(最三判平29・2・21)解説

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平成29年10月30日(月):初稿
【事案の概要】
被上告人(信販会社。原告・控訴人)が、上告人ら(被告・被控訴人)に対し、被上告人の加盟店であったA社との間で宝飾品等の売買契約を締結したとして、被上告人との間で購入代金に係る立替払契約に基づく未払金の支払等を求めた事案(本訴)、上告人Y2が、被上告人に対し、割賦販売法35条の3の13第1項により上記立替払契約の申込みの意思表示を取消したこと等を理由として、不当利得返還請求権に基づき、上記立替払契約に基づく既払金の返還等を求めた事案(反訴)(本件反訴は、原審で提起され、その後、上告人Y2に対する本訴は、取り下げられた。)で、上記立替払契約のうち、平成20年法律第74号の施行日である平成21年12月1日以降に締結されたものについては、割賦販売法35条の3の13第1項により立替払契約の申込みの意思表示を取り消すことができるか否かが、同日より前に締結されたものについては、改正法による改正前の割賦販売法30条の4第1項により本件販売業者に対して生じている売買契約の無効等の事由をもって被上告人に対抗することが信義則に反するか否かが争われ、改正前契約に係る売買契約は民法93条ただし書又は民法94条1項により無効であるとし、被上告人の本訴請求を認容し、上告人Y2の反訴請求を棄却したため、上告人らが上告した事案において、個別信用購入あっせんで、販売業者が名義上の購入者となることを依頼する際にした上告人らに対する告知の内容は、割賦販売法35条の3の13第1項6号にいう「購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの」に当たるとして、原判決を破棄し、高等裁判所に差し戻しを命じた事例(反対意見がある)。

【判示事項】 〔最高裁判所民事判例集〕
個別信用購入あっせんにおいて,購入者が名義上の購入者となることを承諾してあっせん業者との間で立替払契約を締結した場合に,販売業者が上記購入者に対してした告知の内容が,割賦販売法35条の3の13第1項6号にいう「購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの」に当たるとされた事例
〔判例タイムズ(判例タイムズ社)〕

個別信用購入あっせんにおいて、購入者が名義上の購入者となることを承諾してあっせん業者との間で立替払契約を締結した場合に、販売業者が上記購入者に対してした告知の内容が、割賦販売法35条の3の13第1項6号にいう「購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの」に当たるとされた事例

【要旨】 〔TKC〕
個別信用購入あっせんにおいて、立替払契約が購入者の承諾の下で名義貸しという不正な方法によって締結されたものであったとしても、それが販売業者の依頼に基づくものであり、その依頼の際に契約締結の動機に関する重要な事項について販売業者による不実告知があった場合には、立替払契約の申込みの意思表示を取り消すことができる。
〔最高裁判所民事判例集〕

個別信用購入あっせんにおいて,購入者が名義上の購入者となることを承諾してあっせん業者との間で立替払契約を締結した場合に,それが販売業者の依頼に基づくものであり,上記販売業者が,上記依頼の際,名義上の購入者となる者を必要とする高齢者等がいること,上記高齢者等との間の売買契約及び商品の引渡しがあること並びに上記高齢者等による支払がされない事態が生じた場合であっても上記販売業者において確実に上記購入者の上記あっせん業者に対する支払金相当額を支払う意思及び能力があることを上記購入者に対して告知したなど判示の事情の下においては,上記の告知の内容は,割賦販売法35条の3の13第1項6号にいう「購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの」に当たる。

割賦販売法35条の3の13第1項
 購入者又は役務の提供を受ける者は、個別信用購入あつせん関係販売業者又は個別信用購入あつせん関係役務提供事業者が訪問販売に係る個別信用購入あつせん関係販売契約若しくは個別信用購入あつせん関係役務提供契約に係る個別信用購入あつせん関係受領契約又は電話勧誘販売に係る個別信用購入あつせん関係販売契約若しくは個別信用購入あつせん関係役務提供契約に係る個別信用購入あつせん関係受領契約の締結について勧誘をするに際し、次に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は第一号から第五号までに掲げる事項につき故意に事実を告げない行為をしたことにより当該事実が存在しないとの誤認をし、これらによつて当該契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一 購入者又は役務の提供を受ける者の支払総額
二 個別信用購入あつせんに係る各回ごとの商品若しくは権利の代金又は役務の対価の全部又は一部の支払分の額並びにその支払の時期及び方法
三 商品の種類及びその性能若しくは品質又は権利若しくは役務の種類及びこれらの内容その他これらに類するものとして特定商取引に関する法律第六条第一項第一号又は第二十一条第一項第一号に規定する主務省令で定める事項のうち、購入者又は役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
四 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
五 個別信用購入あつせん関係受領契約若しくは個別信用購入あつせん関係販売契約若しくは個別信用購入あつせん関係役務提供契約の申込みの撤回又は個別信用購入あつせん関係受領契約若しくは個別信用購入あつせん関係販売契約若しくは個別信用購入あつせん関係役務提供契約の解除に関する事項(第三十五条の三の十第一項から第三項まで、第五項から第七項まで及び第九項から第十四項までの規定に関する事項を含む。)
六 前各号に掲げるもののほか、当該個別信用購入あつせん関係受領契約又は当該個別信用購入あつせん関係販売契約若しくは当該個別信用購入あつせん関係役務提供契約に関する事項であつて、購入者又は役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
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